著者
英保 すずな 内藤 裕子 渡嘉敷 恭子
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.24, pp.37-48, 2014

本稿ではまず、日本語教育用映像教材をいくつか紹介し、その問題点について論じる。著者らはどのテキストを使っていても利用できる、汎用性が高い映像教材を制作したいと考えた。その第一段階として国内外の日本語教育機関で使用されている初級教科書・補助教材に関しての実態調査とニーズ調査を行った。その結果、多くの現場で映像教材が使用されているにも関わらず、なお他の教材を求める声が高いことがわかった。本稿ではGoogle Driveによるアンケートの作成方法も合わせて紹介する。
著者
渡嘉敷 恭子 kyoko Tokashiki
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in Teaching Japanese as a Foreign Language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.47-60, 2006

多くの日本語教師が文法書やテキストの文法説明に違和感を持った経験があるのではないだろうか。実際に日本語教育の文法説明と日本語の母語話者の認識との間にずれがあることも多い。本稿ではその一例として自動詞使役の被使役者を示す助詞の選択に焦点を当てた。(1) 文法書、テキストでの文法説明について調査してみると、「を」をとるとしか説明していないもの、「を」または「に」をとり、その意味の違いについて説明がないもの、自動詞使役では「を」または「に」をとり、「を」の場合は被使役者の意思に関わらず被使役者がその行為を行い、「に」の場合は被使役者の意思が尊重されて行為が行われるという解釈のものと、大きく分けて三種類の説明があることがわかった。日本語の母語話者を対象に行ったアンケート調査の結果、「に」と「を」の持つ「強制」「許容」のニュアンスの違いについて認識し、使い分けている日本語母語話者は少なく、助詞が重複しないように感覚的に助詞を選択していることがわかった。
著者
渡嘉敷 恭子
出版者
関西外国語大学
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.47-60, 2006

多くの日本語教師が文法書やテキストの文法説明に違和感を持った経験があるのではないだろうか。実際に日本語教育の文法説明と日本語の母語話者の認識との間にずれがあることも多い。本稿ではその一例として自動詞使役の被使役者を示す助詞の選択に焦点を当てた。(1) 文法書、テキストでの文法説明について調査してみると、「を」をとるとしか説明していないもの、「を」または「に」をとり、その意味の違いについて説明がないもの、自動詞使役では「を」または「に」をとり、「を」の場合は被使役者の意思に関わらず被使役者がその行為を行い、「に」の場合は被使役者の意思が尊重されて行為が行われるという解釈のものと、大きく分けて三種類の説明があることがわかった。日本語の母語話者を対象に行ったアンケート調査の結果、「に」と「を」の持つ「強制」「許容」のニュアンスの違いについて認識し、使い分けている日本語母語話者は少なく、助詞が重複しないように感覚的に助詞を選択していることがわかった。
著者
渡嘉敷 恭子 Kyoko Tokashiki
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in Teaching Japanese as a Foreign Language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.77-93, 2016

「口頭テスト」はプレースメントの際に行われるレベル分けのための熟達度テスト(proficiency test)とその学生がある期間にどのぐらいレベルアップしたかを測る到達度テスト(achievement test)に大きく分けられる。前者は、ACTFLが開発したOPIに代表される特定のプログラムや使用したテキストに準じていない能力を測る汎用性が高いものである。一方、後者はある特定のクラスまたはプログラムで使用され、主に限られた範囲内の会話力を評価するために使われる。筆者は2017年春学期に総合日本語3のクラスを担当し、中間試験の際に口頭テストを行った。本稿はその口頭テストの実践報告である。