著者
遠藤 片山 昭宏 田村 秀行 廣瀬 通孝 渡辺 真二郎 谷川 智洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
信学ソサイエティ, 1997
巻号頁・発行日
pp.276-277, 1997
被引用文献数
2

コンピュータネットワークが形成する電脳空間内に, 人が集い社会的営みを行う都市環境を構築する試みがなされている. 通常, この種の仮想都市の記述と表示には, 従来からのCG技術が用いられている. しかし, 幾何モデルをもとにしたCG表現には限界があるため, 最近, 実写画像に基づくImage-Based Renderingが注目を集めている. 我々は, この新技術により電脳映像都市空間を構築することを計画している. ここで, 「丸ノ内」, 「みなとみらい」といった規模の街の任意の景観を画像データとして表現するには, 従来にはない撮影方法や画像再構成手法が必要となる. WWWサイトの検索には, 広大な情報空間内をソフトウェア・ロボット(エージェント)が探索して情報を収集するのに対し, この場合は, 現実世界の都市空間を物理的なカメラがサンプル画像を収集して廻ることになる. 将来, 自律走行できるロボットが自らの判断で撮影計画を立て, 獲得した画像群を送信してくることも考えられるが, まず我々の計画の第一歩としては, 複数のカメラを搭載した自動車を運転し, 位置・姿勢データつきの映像を収集する方法を採る. 本稿では, 計画の概要と, 車載カメラや位置・姿勢センサ等を用いて試作した撮影システムについて述べる.
著者
高山 大 新野 宏 渡辺 真二 菅谷 重平 つくば域降雨観測実験グループ
出版者
日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.885-905, 1997-08-25
参考文献数
47
被引用文献数
1

1994年9月8日の午後、突風と降雹を伴う強い雷雲が群馬および埼玉県を通過した。埼玉県北西部の美里町立美里中学校では、校舎の窓ガラスが突風で割れ、教師2人と71人の生徒が負傷した。被害調査、地上観測、高層観測、静止衛星、現業レーダーなどのデータを用いて、雷雲とこれに伴う突風の解析を行った結果、この雷雲に伴って少なくとも3つのダウンバーストが発生したことがわかった。主な解析結果は以下の通りである。3時間以上長続きしたこの雷雲は、約8 m/sのスピードで東南東進し、発達期以降はその直下で10度近くの気温低下と発散風を伴っていた。成熟期には雲頂は約15kmに達し、レーダーによる反射強度の分布は進行方向に対してオーバーハング構造を呈していた。被害調査による雷雲下の降雹域の幅は2力所で顕著な拡がりを示した。この拡がりの見られた場所と時刻は、レーダーで観測された反射強度の核の降下の場所・時刻と一致していた。更に、数地点の地上気象観測データの時空間変換から求めた水平風の分布には、降雹域の拡がりにほぼ対応した場所・時間に明瞭な発散風(ダウンバーストAおよびC)が見られた。ダウンバーストAは、児玉環境大気測定局(KD)とそこから約3kmに位置する児玉郡市広域消防本部の中間で生じたことが、両地点の風向風速記録から明瞭に読みとれる。雷雲通過による降温はこの2地点付近で最も大きく、11度以上に達した。ダウンバーストAは最終的には差し渡し40kmの範囲にまで広がった。雷雲はダウンバーストAを生じた後、急速に衰弱した。KDの自記紙にはダウンバーストAとは別の更なる気温降下と風の発散が記録されており、近くでダウンバーストBが発生したことを示している。KDでダウンバーストBを発生させた雷雲の部分は、被害を引き起こした突風が吹いた時刻には約8km離れた美里中上空をちょうど通過していた。美里中付近の気象観測資料はないが、被害調査やこれらの事実から、美里中近くで第4のダウンバーストが発生した可能性が示唆される。これらのダウンバーストはすべて、ガストフロントの6~10km後方で発生した。雷雲周辺のCAPEは、雷雲通過前後の3時間で1800 m^2/s^2から700 m^2/s^2以下に減少した。相当温位の下層の極大値と中層の極小値との差も同様に、26Kから16Kに低下した。
著者
渡辺真二 著
出版者
二松堂書店
巻号頁・発行日
1922