著者
渡辺 芳郎
出版者
東洋陶磁学会
雑誌
東洋陶磁 (ISSN:09147764)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.67-77, 2013
著者
新田 栄治 西谷 大 井上 和人 渡辺 芳郎 BUI Chi Hoan CHAIKANCHIT CHALIT Chaik
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

メコン流域の先史時代から初期国家成立にいたる文明化現象について、ベトナム南部、タイ東北部、ラオス南部、カンボジアのメコン流域とその近隣地域で考古学的調査と研究を行った。ベトナム南部においては、メコン・デルタおよびドンナイ川流域の調査を行い、各地で前3世紀以降、河川毎に地域的統一化現象が起きていることを確認した。タイ東北では首長の威信財であったと考えられる銅鼓資料の収集を行い、合わせてメコンおよび支流のムン川、チー川、ソンクラーム川の流域と各河川の合流点が、メコンと支流の河川交通とコーラート高原内陸部とメコン本流およびベトナム沿岸地域との交通の重要な地域であったことを確認した。ラオス南部チャンパサック県の調査では,メコンの河川交通遮断地であるコーン瀑布上流域の河川交通上での経済的、政治的意義を調査した。カンボジアではプノンペン一帯での河川交通の意味を調べるため、メコン、トンレサップ等4つの河川の合流点を考古学的に調査し、博物館資料として保存してあるカンボジアの青銅器、特に銅鼓を中心に資料収集を行った。現地調査の結果、メコン流域とその支流域には、東北タイに代表される鉄や塩、森林産物などの内陸産物を集荷また出荷するセンターが前3世紀ころから誕生したこと、これらのセンターの首長の威信財として東南アジアの代表的青銅器であるヘーガー1式銅鼓が受容されたこと、このような経済的、政治的拠点は、メコン本流とその支流の交通と運輸の拠点、つまり合流点、遮断点、島などに形成されたことが明らかとなった。これらの拠点的地域の中から後1世紀以降の都市の成立さらには国家形成へと進むものがあった。
著者
長谷川 雅康 渡辺 芳郎 田辺 征一 門 久義 池森 寛 土田 充義
出版者
鹿児島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

(1)反射炉;反射炉の発掘調査結果を種々検討した。重要な結果は、反射炉の基礎部分の寸法が、ヒューゲニンの技術書の寸法にほぼ一致する。2炉・2煙突をもつ基本的な反射炉で、2号炉である。水気防止や強度向上のための工夫と苦労が薩魔人独自の石組の緻密さに見られ、薩摩焼の陶工による耐火煉瓦の焼成が典型である。反射炉建造は壮大な集成館事業の種々採用された諸技術の中核をなし、日本の近代化の先駆的事業であったことが確認される。(2)建築,集成館事業の第一期斉彬時代に、外観は日本の伝統的木造建築で、柱間寸法と小屋組が特徴、機械設備を入れる広い内部空間確保のための試みがみられる。第二期忠義時代(薩英戦争後)は、石造機械工場や鹿児島紡績所の建築など大規模な洋風工場建築の時期。後者の建築には外国人と直接関わり、近代建築技術を摂取した。「薩州見取絵図」や写真・現地測量・地下探査調査結果を踏まえ、コンピュータ解析し、第二期の工場群配置図と模型を完成した。(3)水車動力,川上取水口での流量測定の結果及び磯地域で発見された当時の水路溝の落差・断面積から熔鉱炉や鑚開台で使用の在来型木製縦型上掛け水車の動力を見積った。国内外の水車の歴史を総括し、薩摩藩の鉱山や集成館の水車の技術史上の位置を考察した。(4)工作機械,尚古集成館所蔵のオランダ製形削り盤(重文)の各部の寸法を測定して、図面化した。また、その運動解析を行い、バイトの運動状態とストロークとの関連などを解明した。(5)紡績技術,2種類の「薩州見取絵図」にある綿繰機、広幅織機の絵図を詳察し、復元可能な製作図面を作成し、綿繰機復元に着手した。薩摩藩の綿繰機のわが国繊維技術史における位置付けを検討した。英国プラット社が鹿児島紡績所に輸出した機械類のリストを同国で見出し、従来の定説と比較検討した。