著者
渡邉 はるか 前川 久男
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.351-359, 2011 (Released:2013-09-14)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究では、通常の学級に在籍する362名の定型発達児と33名の特別な教育的ニーズ(Special Educational Needs; 以下SENとする)のある児童に対して、学業適応感、学校生活適応感に関する質問紙調査を実施した。本研究の目的は、渡邉(2009)の尺度を改訂し、学業適応感が学校生活適応感へ与える影響の再検討およびSENの有無が学校生活適応感へ与える影響を検討することである。学業適応感は、因子分析の結果、学業満足感と学業困難感の2因子が抽出された。学校生活適応感に対する学業適応感の影響を検討するために重回帰分析をした結果、学業満足感の影響が確認され、学業困難感の影響はみられなかった。また、学校生活適応感の要因として、特別な教育的ニーズがあることの影響が示唆された。以上より、学校生活適応感に影響を及ぼす要因として、学業満足感に注目することができ、あらためて児童の学習面のニーズに注目する必要性が指摘できる。
著者
峯村 恒平 渡邉 はるか 藤谷 哲 枝元 香菜子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.4, pp.284-291, 2022-11-28 (Released:2022-11-28)

OECD-ITP(初期教員準備教育)の議論のように,世界的に教員養成は「養成段階から初任者まで」という連続性の中で議論されるようになってきている.我が国でも,断続的な教員養成課程の改革,新卒者教員の採用増,一方で若手教員の不適応や早期離職が課題として指摘されるなど,それぞれに変化があり,それぞれに着目しただけでは対応しきれない状況が生じている.「学校から教職」というトランジション課題として捉え,連続性を踏まえた議論がまさに求められている.本研究では,上記の背景,問題意識を踏まえ,初任者教員を対象とした,着任後に感じた課題や,その中でどのように適応に至ったかという過程について,インタビュー調査を通じて明らかにした.具体的な困難や,適応の過程について論じながら,教員養成課程の課題や,初任者教員への研修・指導という視点に向けた展望についても合わせて論じる.
著者
渡邉 はるか
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (障害科学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6172号)