- 著者
-
渡邉 幸佑
- 出版者
- 北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
- 雑誌
- 科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, pp.39-50, 2022-09
科学研究費助成事業の研究計画調書に記載する項目の一つに,「研究課題の核心をなす学術的『問い』」がある.「研究課題の核心をなす学術的『問い』」を明確に書くことは,研究費の獲得のため重要なことである.URA は,研究支援業務の一環として,研究者が一通り記載した研究計画調書をチェックし,改善案を提案する.研究計画調書をチェックする際,「研究課題の核心をなす学術的『問い』」が明確に書かれているか判断する.「研究課題の核心をなす学術的『問い』」が明確でない場合,適切な改善策を提案することが求められる.しかし,「研究課題の核心をなす学術的『問い』」が明確であるか否か判断することは難しい.仮に,明確でないと感覚的には判断できたとしても,なぜ明確でないのか言語化することは難しい.熟練のURA であれば,「研究課題の核心をなす学術的『問い』」がなぜ明確でなく,どのように書き直せば良いのか,瞬時に自然と判断できるであろう.しかし,URA は新興の職種である.これから新たにURA になる者も多いはずである.そこで,本稿では,URA という職種のハウツーの集積として,「研究課題の核心をなす学術的『問い』」が明確であるとはどのようなことか,「研究課題の核心をなす学術的『問い』」を明確にするにはどうすればよいか,実例を改変した例を示しつつ解説する.