著者
末竹 荘八郎 渡邊 至
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.305-307, 2016-05-14 (Released:2016-07-07)
参考文献数
5

抜管後,患者の訴えに基づき気道で発見された脱落歯牙を,McGRATHTM MAC(以下,McGRATH)とSUZY鉗子を用いて安全に摘出し得た症例を経験した.McGRATHはビデオ喉頭鏡の一つとして近年急速に普及しており,従来の喉頭鏡に比べ低侵襲で,特に困難気道での有効性が確認されている.SUZY鉗子はMcGRATH専用の湾曲型異物除去鉗子であり,McGRATHとSUZY鉗子の組み合わせは迅速かつ安全な気道異物除去法の一つであると考えられた.
著者
小久保 喜弘 中村 敏子 神出 計 宮本 恵宏 渡邊 至
出版者
独立行政法人国立循環器病研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

市部一般住民における代謝性疾患と頚動脈硬化の進展に関する追跡研究と血管内膜中膜肥厚(IMT)の進展との追跡研究について、生活習慣要因から検討した。正常高値血圧以上で最大IMT値が有意に厚かった。女性の最大IMT値は、血圧と高感度CRP高値との間に交互作用が見られた。また、女性の糖尿病型、男性の境界型以上で平均・最大IMTは有意に厚かった。頸動脈狭窄は血糖が高くなるとリスクが高く、さらに血圧上昇と交互作用が見られた。慢性腎障害は頸動脈硬化の危険因子であり、頸動脈硬化は慢性腎障害の正常高値血圧、高血圧群でさらに進展していた。頸動脈硬化症の予防に、慢性腎障害への進展抑止と血圧のコントロールが重要であるごとがわかった。さらに、追跡研究では頸動脈IMT、特に総頸動脈最大IMTは循環器病発症の予測因子であることが分かった。正常高値血圧、糖尿病型、non-HDLコレステロール高値、喫煙、BMIが保健指導において動脈硬化進展の予防に有効な指標であることが分かった。