著者
渡邊 豊英
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.480-491, 2010 (Released:2010-12-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

一般財団法人日本特許情報機構は,「産業日本語」の策定とその普及に関する調査・研究を推進している。「産業日本語」とは,産業・技術情報を人に理解しやすくかつコンピューターにも処理しやすく表現するための日本語である。そして,「産業日本語プロジェクト」とは,「産業日本語」のわが国産業界への導入を支援する仕組みを作り,その普及シナリオを策定・実行するプロジェクトである。本稿では,産業日本語プロジェクトについて,検討の背景,主な取り組み,今後の展望等を交えつつ,その概要を紹介する。
著者
牛尼剛聡 渡邊 豊英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.114-123, 1999-02-15
被引用文献数
13

我々は利用者の様々な視点に基づいたシーン検索を目的として 動画像データベース・システムSTRIKE (STream data Retrieval system based on Indexing with Key Events)を開発中であり STRIKEにおける動画像データ・モデルとしてイベント-アクティビティ・モデルを提案している. 本モデルに基づくシーン検索は シーンに対する利用者の 1)着目する実体の相違 2)活動の複合レベルの相違 3)活動を捉える概念レベルの相違 に対処可能である. 本稿では イベント-アクティビティ・モデルに基づいて シーン検索における利用者の実体を捉える視点の多様性に対処する手法を提案する. 本手法では 対象世界上の時間経過にしたがって変化する実体の分類を表すために役割の概念を導入し 役割に基づいてイベントを照合する. さらに 動画像のコンテクストに基づいて実体の役割を決定するための知識をStatechartで表現し それぞれの時刻においてその役割を自動的に決定する. また 役割を変化させる際にイベントを生成することにより 異なる実体間での連鎖的な役割遷移を実現する.We have proposed Event-Activity model, which is a data model on movie databases, for retrievals of scenes. The retrieval method based on this model supports three different viewpoints of users; 1) the difference of entities which users focus on, 2) the difference of granularity of composite activities, and 3) the difference of abstract levels in which activities are captured. In this paper, we extend Event-Activity Model to support these differnces among users' viewpoints on entities. We call the categories in which entities are classified variably as roles. Memberships of roles are decided according to the present status of entities. We represent rules of role assignments as statecharts, which are state trasition diagrams for supporting hierarchical structures of states. Each state in statecharts represents a role of entities, and state transitions are triggered by events.
著者
牛尼 剛聡 渡邊 豊英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.176, pp.223-228, 2004-07-06
被引用文献数
2

ライフログは個人の活動を記録したデータである。ライフログを構成するデータの例として、個人が送受信した電子メール、視聴したTV番組、デジタルカメラで撮影した記録画像等があげられる。ライフログの特徴として、同一の活動が複数のメディアで記録されていることがある。それぞれのメディアには特徴があり、表現可能な内容には限界がある。メディアを統合化することにより、同一の活動を様々な視点から捉えることが可能となる。統合化されたライフログは、個別のデータ単体では表現できないコンテクストを相互に表現していると考えられる。本研究では、異種メディアで記録されたライフログを統合化し、コンテクストに基づいた検索を実現することを目的とする。統合化の際に問題となるのは、異種メディアの対応付けを厳密に行うことは困難であり、不確実性を伴う点である。本論文では、この問題に対応するために、推論ネットワークを拡張した検索モデルを提案する。なお、検索対象の例としてデジタルカメラや携帯電話などで撮影された記録画像を想定し、記録画像のコンテクストの推定には、利用者が送受信した電子メールのメッセージを利用する。