著者
西岡 由美 YUMI NISHIOKA 湘北短期大学総合ビジネス学科 Shohoku College
巻号頁・発行日
no.28, pp.19-28, 2007-03-31

This article focuses on the path dependency in the young labor market by using micro-data of 4,159 new employees in 994 companies.In this article, the following findings are revealed: (a) path dependency factors such as educational background and transitional process (School-to-work) influence the separation rate of young employees and current evaluations at each company; (b) the tendencies of the path dependency are different between high school graduates and university (including technical and junior college, graduate school) graduates, (c) in the higher education sector, the impact of the path dependency factors on the evaluation are more effective than others, (d) in high school graduates case the separation rate is influenced by educational backgrounds, whereas the separation rate is affected by the path backgrounds in university graduates.
著者
大塚 良治 Ryoji Otsuka 湘北短期大学総合ビジネス学科
巻号頁・発行日
no.33, pp.57-72, 2012-03-31

鉄道会社が鉄道車両を取得する方法としては主に、車両メーカーに発注し新造車両の引渡しを受ける方法と、他社の中古車両を譲り受ける方法の2 つがある。比較的財政的余裕のあるJR 旅客会社や大手私鉄では、メンテナンスコスト削減や省エネを図ること等を意図して、新造車両を導入することも可能である。そして、旧型車両を廃車にすることが決定された場合、解体処分または他社への譲渡等を選択することとなる。しかし、中小私鉄にとっては、新造車両を導入するための初期投資資金を捻出することは困難な場合が多いことから、JR 旅客会社や大手私鉄で廃車となった中古車両に目を向けることとなるのである。鉄道車両のうち「電車」の法定耐用年数は13 年であるが、通常鉄道車両の使用期間は30 年~ 40 年である。本論は、新造車両の取得と減価償却に係る会計処理、および中古車両の売買と減価償却に係る会計処理をそれぞれ検討し、廃車時期としては比較的短期と判断される年数として新造から20年以内に廃車となることが意思決定された鉄道車両に係る減損処理について議論する。そして、減損処理を実施することで、投下資本利益率(ROI)向上すること、および資産の過大表示は、ROI を押し下げる要因となることを明らかにする。
著者
山形 俊之 Toshiyuki Yamagata 湘北短期大学総合ビジネス学科
巻号頁・発行日
no.34, pp.189-204, 2013-03-31

現在、アウトドアレジャーの中で、登山がブームだといわれている。1980 年代後期から平成年間を通じて継続しているこのブームは年齢・性別を問わず多くの人々を山に向かわせ、その中には多くのビギナー登山者も含まれている。また、登山を中心に据えた新たなアウトドア・ビジネスや観光ビジネスが展開されるようになったのも、この登山ブームの特徴といえる。本稿ではこのブームを「平成登山ブーム」として概観する。まず近代登山史から見た平成登山ブームの背景について考察し、平成登山ブームにおける登山者数の統計的考察を行ったうえで、平成登山ブームを支え、人々を山に導いた要因について考察したい。
著者
大塚 良治 Ryoji Otsuka 湘北短期大学総合ビジネス学科
出版者
湘北短期大学・図書館委員会
雑誌
湘北紀要 (ISSN:03859096)
巻号頁・発行日
no.34, pp.127-152, 2013-03-31

2000 年3 月の鉄道事業法改正により、旅客鉄道事業の退出は、従来の許可制から、原則1 年前の事前届出制に緩和され、以降鉄道路線の廃止が続出した。近畿日本鉄道(近鉄)は、同社が運営する内部・八王子線について、長年にわたって乗車人員減少に伴う営業損失が続いていることを理由として、BRT(バス高速輸送システム)への転換を提案した。これまで廃止された鉄道路線の多くが、営業損益の改善を見込めないことを理由として廃止に追い込まれてきたが、一方で不採算路線について費用対効果分析が実施され、社会的便益が会計上の営業損失を超えると判断された結果、行政より補助金投入がなされて、存続が実現している場合がある。内部・八王子線についても、費用対効果分析を実施した結果、鉄道存続の方がBRT 化よりも社会的便益がはるかに大きいことが明らかとなった。市民も株主として出資する第三セクター会社に同線の運営を継承させた上でかつ特殊狭軌路線として維持することが、最大の社会的便益かつ最小の公的負担額を実現し、市民の利用を最も促進することができる方策である。The revisions of the railway business act in Japan result many abolition cases of unprofitable railways.Kintetsu corporation expressed a conversion of Utsube and Hachioji lines from railways to Bus Rapid Transit (BRT). But we must discuss whether unprofitable railways must be continued or abolished, based on the costbenefit analysis. There are many cases of realizing continuations of railways, since the local governments take into account that social benefits of unprofitable railways above operating profits of these railways. Based on the costbenefit analysis of Utsube and Hachioji Lines, we must discuss a measure that the local governments set up the third sector railway company, then citizens invest in this company. This measure leads realizing maximum social
著者
大塚 良治 Ryoji Otsuka 湘北短期大学総合ビジネス学科
出版者
湘北短期大学・図書館委員会
雑誌
湘北紀要 (ISSN:03859096)
巻号頁・発行日
no.34, pp.115-126, 2013-03-31

近年、バス高速輸送システム(BRT)が鉄道の代替交通機関として認知されるようになってきた。近畿日本鉄道(近鉄)は、同社が運営する内部・八王子線について、長年にわたって乗車人員減少に伴う営業損失が続いていることを理由として、同線のBRT への転換を提案し、四日市市に対してBRT 転換の初期費用の補助を求める意向を表明した。鉄道を廃止して、バス専用レーンを設置した、旧鹿島鉄道代替バス(かしてつバス)の事例では、乗車人員の回復や地価下げ止まり効果は確認されていない。定時性が確保されかつ運営費用が低廉という利点だけでBRT 化を進めるのではなく、鉄道の存廃について、社会的便益の観点で検証することが肝要である。The Kintetsu corporation expressed a plan of a conversion of Utsube and Hachioji lines from railway to Bus Rapid Transit. This paper discusses impacts by abolishing railways based on a case of Bus Rapid Transit after abolishing Kashima Railway. We must discuss a continuation of railways based on cost-benefit analysis.