著者
田口 裕紀子 城丸 瑞恵 澄川 真珠子 成松 英智
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.481-492, 2019-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
18

背景・目的:プレホスピタルケアは救急患者の転帰を左右するため,救急救命士には資格取得前から取得後も病院実習が義務づけられている。実習項目は看護から習得できるものが多く,指導医師の不足などから看護師が実習指導に携わる施設は多い。そこで看護師による救急救命士の病院実習指導の現状を明らかにするため質問紙調査を行った。方法:救急救命士の病院実習指導に携わる全国の救命救急センターに勤務する看護師490名に質問紙調査を実施。結果:実習教育プログラムがない,または不明確と認識している者は63.8%,実習の説明を受けていない者は69.2%であった。また,救急やプレホスピタルに関する資格・経験がない者は実習指導について十分に把握していない傾向にあった。考察:救急救命士の病院実習の充実化のためには,指導に携わる看護師が実習目標や指導内容を把握できるような体制整備や臨床経験の少ない者への支援など実習指導体制構築の必要性が示唆された。
著者
澄川 靖之 上木 裕理子 三好 彰 程 雷 殷 敏 時 海波 澄川 真珠子 幸野 健 青木 敏之 片山 一朗
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1270-1275, 2007-10-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2

【目的】日本,中国におけるアトピー性皮膚炎の有症率と皮膚のバリア機能について調査を行い比較検討を行った.【方法】中国チベット自治区ラサ市68名,江蘇省宜興市67名,兵庫県西宮市99名の小学1年生を対象に皮膚科検診を行い,その際に経皮水分蒸散量(TEWL : transepidermal water loss),角質水分量(capacitance)を測定した.またラサ市,宜興市,大阪府大阪市の中学1年生を対象に入浴回数についてのアンケート調査を行った.【結果】アトピー性皮膚炎の有症率は,ラサ0%,宜興2.63%,西宮4.26%であった.TEWLは西宮が宜興・ラサに比し有意に高く,capacitanceはラサが西宮・宜興に比し有意に低かった.また入浴回数はラサで月2.2回と西宮・宜興に比べ少なかった.【結論】TEWLの増加に従いアトピー有症率が増加する傾向がみられた.生活習慣・環境の変化によりアトピー性皮膚炎の有症率や皮膚のバリア機能がどう影響を受けるか今後も調査を行っていく必要があると考えられた.