著者
三好 彰
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6Supplement2, pp.690-695, 1999-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
2
著者
殷 敏 三好 彰 程 雷 白川 太郎 榎本 雅夫 嶽 良博 彭 解人 阮 標 今野 昭義 佐橋 紀男
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6Supplement2, pp.625-629, 1999-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

1995年より中国南部の3つの省 (江蘇省・広東省・雲南省) において、1660名の小中高校生と2167名の大学生を対象に、視診・ 問診・ スクラッチテストから成る鼻アレルギー疫学調査が実施された。また1998年春には南京医科大学第一付属医院耳鼻咽喉科外来にて、鼻アレルギー症例の臨床的観察が行われた。疫学調査からは、スクラッチテストで3.8%の被験者がスギ花粉に対して陽性であることが、またスギ花粉症の頻度は0.26%であることが判明した。スギ花粉症はまぎれもなく中国に存在するが、まだその頻度は低い。スギ花粉飛散量とともに、社会的背景要因の関与が原因として推測されている。
著者
三好 彰
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部言語学研究室
雑誌
東京大学言語学論集 = Tokyo University linguistic papers (TULIP) (ISSN:13458663)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.295-305, 2018-09-30

『英和対訳袖珍辞書』 (堀達之助編 1862)は市販された最初の英和辞書である。そしてその原稿の一部が残っている。本辞書は改訂を繰り返したが最終版は『大正増補 和訳英辞林』(前田正穀・高橋良昭編 1871)である。原稿は手書き(手稿)であり、 『英和対訳袖珍辞書』 の英語部は活版印刷であるが日本語部は木版印刷である。そして『大正増補 和訳英辞林』は英語部も日本語部も活版印刷である。日本語の表現が手書き、木版印刷、活版印刷と三様であることに着目し、漢字の異体字の異動を検証した。手稿、『英和対訳袖珍辞書』 と『大正増補 和訳英辞林』の三者の間で異体字が使い分けられていることがある。この場合には手稿と『英和対訳袖珍辞書』とは同形の文字を使い、『大正増補 和訳英辞林』ではその異体字を使うケースが多い。手稿、『英和対訳袖珍辞書』 と『大正増補 和訳英辞林』のそれぞれの中で漢字とその異体字が混用されているケースでは、その件数がこの順に減っていることが分かった。これらのことから手稿では異体字の混用の意識が薄かったが、木版印刷の『英和対訳袖珍辞書』で少し絞り込み、活版印刷の大正増補 和訳英辞林』では大幅に絞り込んでおり、印刷技法が文字セットに影響を与えている実態が浮き上がってきた。The first commercial English-Japanese dictionary was published in 1862, and its partial manuscript is existent. The dictionary has been revised several times, and its final edition was published in 1871. This paper comparatively discusses usage of Kanji character variants in three documents; namely, the handwritten manuscript, the first dictionary of woodblock printing and the final one of letterpress printing. In cases where a set of Kanji variants is used within all three documents, the same character is mostly used in the manuscript and the first dictionary, while its variant character is used in the final one. And in cases where a set of Kanji variants is used within each document, numbers of set of Kanji in the manuscript are larger than those in the first dictionary, which are larger than the numbers in the final dictionary. This paper shows that writing /printing methods affect character sets used in documents.資料・研究ノート Source Materials and Remarks
著者
三好 彰
出版者
日本英学史学会
雑誌
英学史研究 (ISSN:03869490)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.39, pp.59-79, 2006 (Released:2009-09-16)
参考文献数
32

The first printed Dictionary of English and Japanese Languages was compiled by Hori Tatsnoskay and published in 1862, and it was revised by Horikosi Kamenoskay in 1866. The dictionary was a historical landmark in the Japanese English academia.It has been generally considered that all vocabulary entries of the dictionary had been obtained from “A new pocket dictionary of the English and Dutch languages by H. Picard, 1857 (Picard-1857)”, and the Dutch words of Picard-1857 had been translated into Japanese using several preceding dictionaries of Dutch and Japanese languages. But precise investigation of names of birds makes it clear that some English dictionaries had been used to translate names of birds into Japanese, because there are eleven groups of words in Picard-1857 whose English words that have an identical bird name in Dutch are translated in different Japanese.Moreover, Hori Tatsnoskay got three Japanese words of birds from corresponding Dutch words which have been found not in the Picard-1857, but in the Picard's dictionary of the first edition published in 1843 (Picard-1843).The dictionary revised by Horikoshi Kamenoskay has two English words of birds which are not found in either Picard-1843 or Picard-1857. Since more than half names of birds have been updated by Horikoshi Kamenoskay, the dictionary is good enough for general users.
著者
三好 彰
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部言語学研究室
雑誌
東京大学言語学論集 (ISSN:13458663)
巻号頁・発行日
vol.36, 2015-09-30

研究ノート Source Materials and Remarks嘉永3年(西暦1850)に編纂に着手したが中断してしまったのが英和辞書『エゲレス語辞書和解』である。中断の理由は一流の英語遣いだった編纂者が次々に起こる外国との交渉事への対応に追われて英和辞書の編纂に手が回らなくなったためと従来簡単に片づけられてきた。ところが見出し語の構成に統一性が見られないし、邦訳語の質がほぼ10年後に刊行された『英和対訳袖珍辞書』と比べて見劣りする。とりわけ言語関係の邦訳からは言語学の理解の低さが目立つ。開国前の嘉永年間では英和辞書を作るだけの英語力が身について居らず、それが『エゲレス語辞書和解』中断の理由と考える。The English-Japanese Dictionary titled "Egeresugo Jisho Wage" was started to be compiled in 1850, but it was not completed. Hitherto it has been believed that the compilers, who were excellent English Scholars in Japan, were too busy in dealing with foreign issue s to complete the dictionary
著者
澄川 靖之 上木 裕理子 三好 彰 程 雷 殷 敏 時 海波 澄川 真珠子 幸野 健 青木 敏之 片山 一朗
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1270-1275, 2007-10-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2

【目的】日本,中国におけるアトピー性皮膚炎の有症率と皮膚のバリア機能について調査を行い比較検討を行った.【方法】中国チベット自治区ラサ市68名,江蘇省宜興市67名,兵庫県西宮市99名の小学1年生を対象に皮膚科検診を行い,その際に経皮水分蒸散量(TEWL : transepidermal water loss),角質水分量(capacitance)を測定した.またラサ市,宜興市,大阪府大阪市の中学1年生を対象に入浴回数についてのアンケート調査を行った.【結果】アトピー性皮膚炎の有症率は,ラサ0%,宜興2.63%,西宮4.26%であった.TEWLは西宮が宜興・ラサに比し有意に高く,capacitanceはラサが西宮・宜興に比し有意に低かった.また入浴回数はラサで月2.2回と西宮・宜興に比べ少なかった.【結論】TEWLの増加に従いアトピー有症率が増加する傾向がみられた.生活習慣・環境の変化によりアトピー性皮膚炎の有症率や皮膚のバリア機能がどう影響を受けるか今後も調査を行っていく必要があると考えられた.
著者
三好 彰 草刈 潤 武山 実
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.973-975, 1986-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
4

A case in which vestibular dysfunction as well as hearing loss was caused by acoustic trauma was reported. The patient was a 22 year old woman that developed hearing loss and dysequilibrium at a rock concert after 20 minutes exposure. She was a college student and in order to prepare the term examination, she did not sleep or take any food for 24 hours prior to the onset of these symptoms. This extreme fatigue condition seemed to be closely related to the appearance of the vestibular symptoms in addition to the hearing loss. The generation mechanism of the acoustic trauma was discussed in the light of the available literature and the importance of good physical condition was stressed.
著者
佐橋 紀男 渡辺 幹男 三好 彰 程 雷 殷 敏
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6Supplement2, pp.630-634, 1999-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
10

中国 (天目山) と日本 (屋久島・伊豆大島) で採集したスギの針葉を、酵素多型による解析から以下の結果を得た。14種類の酵素を使用して18遺伝子座を確認したが、LAPだけが天目山集団で対立遺伝子aのみを持ち、屋久島集団と伊豆大島集団は対立遺伝子a, b, cを持っていた。このことから、もともとは同じ起源を持つ集団が日本海によって隔離されたことが、ごく僅かな遺伝的変異を生じさせたに過ぎない。従って酵素多型による解析からは中国のスギと日本のスギは品種程度の分化しかなく、別種に分類する必要性は示唆されなかった。一方、外部形態的な特徴も中国のスギは日本のスギと大変良く似ている。しかし、中国産のスギは長く下垂した針葉を持つ反面、日本産はあまり下垂しない短めな針葉が一般的であるが、これだけでは、酵素多型による解析結果を否定する要因にはならない。
著者
彭 解人 程 雷 黄 暁明 三好 彰 陳 潔珠
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.609-623, 1998

上咽頭癌 (nasopharyngeal carcinoma: NPC) は中国では最も多い悪性腫瘍の一つである。疫学的には広東省を中心とする中国南部の住民に多発する傾向がある。疫学的特徴としては、著しい地域集中性、群体易感性と家族集中現象および発癌率の一定性がみられる。病因学研究では、発癌の要因にEBウィルスの関与をはじめとする生活環境因子の影響が強い。中国におけるNPCと遺伝子との関連性について、癌遺伝子ras、c-myc、c-erB-2と癌抑制遺伝子RB、p53、p16などが注目されている。なお、遺伝子TX の発現に関して検討した。早期診断について、1986-1995年、中山医科大学癌センターは広東省のNPC高発生地域で10万人の住民を対象として集団健診を行った。健診の結果に基づき、NPC高発生地域での癌健診方式を提案し、NPCの前癌状態、前癌病変の判断基準を定めてきた。臨床分類に関しては、1992年に中国は新たなNPC臨床分類法を出した。この分類法はUICC分類法 (1996、改訂案) と比較して、両分類法とも大体一致しているが、NPC臨床分類法のほうが癌の進展と浸潤程度をより重視し、TN 分類についても合理性が高い。治療の面では、NPCは放射線感受性の高いものが多いので放射線治療が主体となる。多分割照射法・加速多分割照射法および個体化治療方案も重視されている。三次元照射治療はNPC放射線治療の技術で最も技術的に進歩をとげたものである。放射線療法に化学療法、外科治療を併用することで、生存率とQOLの改善はより効果的になる。前癌病変阻害剤と遺伝子治療に関する研究は重要な課題であり、新たな治療法として期待が持たれている。
著者
三好 彰 中山 明峰 三邉 武幸
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.29-32, 2010 (Released:2011-01-04)
参考文献数
3
被引用文献数
1

舌のしびれ感を主訴として三好耳鼻咽喉科クリニックを受診した、三叉神経鞘腫の 1 症例を報告した。本症例の確定診断に至る、頭蓋底に的を絞った MRI 撮影は、神経耳科学的スクリーニングに基づくものであり、画像診断前の神経耳科学的診断の重要性について、改めて認識させられた。
著者
三好 彰 中山 明峰 程 雷 殷 敏 時 海波 陳 智斌 鮑 永生 魯 春林 白川 太郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4Supplement2, pp.S147-S152, 2003-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
22

近年の日本におけるスギ花粉症などのアレルギー疾患増加が、回虫など寄生虫の減少に起因しているとの仮説に対して、実際の疫学調査の結果と文献による考察を行った。疫学調査の結果からは、寄生虫感染例でもスクラッチテストに陽性反応を示す症例の存在することが分かり、むしろ感染例の方が非感染例よりも陽性率の高いことすらあることが示唆された。文献的にも、この仮説を裏付け得るだけの論文は見当たらず、仮説は根拠に乏しいものと判断された。アレルギー疾患の増加が、寄生虫感染の減少に起因しているとはいえない。
著者
綿貫 幸三 高坂 知節 草刈 潤 古和 田勲 西条 茂 小林 俊光 新川 秀一 飯野 ゆき子 六郷 正暁 柴原 義博 富岡 幸子 佐久間 眞弓 粟田口 敏一 三好 彰 荒川 栄一 橋本 省 大山 健二 原 晃 沖津 卓二 郭安 雄
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.766-776, 1982
被引用文献数
6

The laryngeal cysts were treated in 14 cases in our in-patient clinic during the last 9 years and 8 months between the April 1972 and the December 1981. The laryngeal cysts at the vocal cord were excluded in this study. The clinical, histological and some other findings of these cysts were briefly described. After some considerations regarding the origin and the developing mechanism of the cysts, a new classification of the laryngeal cysts was proposed as follows. <br>Laryngeal cysts. <br>1) Retention cysts: The cysts due to stenosis of the glands, their ducts, lymph vessels or other similar structures. <br>2) Epidermoid or dermoid cysts: The cysts due to stray germs, implantation or the result of down growth with separation and eventual isolation of a fragment of epidermis or dermis. They may also due to dysontogenesis of a foetal epithelial tissue. Dermoid cysts are extremely rare. <br>3) Cysts of a special origin: Branchiogenic cysts, thyroglossal duct cysts, and cysts of laryngocele origin.