著者
氏川 智皓 加藤 大祐 栗本 美緒 新道 悠 原田 直樹 澤 憲明
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.401-403, 2015 (Released:2015-12-25)
参考文献数
3
被引用文献数
3

この度, 著者の5人である氏川, 加藤, 栗本, 新道, 原田が第2回日英プライマリ・ケア交換留学プログラムの英国短期訪問プロジェクトの派遣団員として, 2014年9月末から10月初めにかけて, それぞれ異なる英国の家庭医療診療所を見学し, 英中部Liverpoolで開催された英国家庭医学会 (Royal College of General Practitioners, 以下RCGPと略す) 主催の年次学術大会に参加した. 本プログラムは, 日本プライマリ・ケア連合学会とRCGPとの正式な交流の一環として, 本学会国際キャリア支援委員会とRCGP若手国際委員会 (Junior International Committee, 以下JICと略す) が窓口となり, 2013年に行なわれたパイロット事業の理念と成功を受け継ぐものである.今回の渡英に先立ち, 英国家庭医5人 (Dr Greg Irving, Dr Jessica Watson, Dr Shazia Munir, Dr Seher Ahmed, Dr Anna Romito) が2014年5月に来日し, それぞれ異なる家庭医療後期研修プログラムを見学し, 岡山で開催された本学会学術大会でポスター発表を行なった. 本稿では, 派遣団員が本事業を通して印象深かったもののうち, 「診療所の質の担保」「医師の質の担保」「家庭医のコミュニケーション技術」の3つを紹介する.
著者
澤 憲明 田中 啓広 菅家 智史 武田 仁 鵜飼 友彦 若山 隆 葛西 龍樹
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.308-316, 2011 (Released:2015-05-30)
参考文献数
20

目的 : 英国家庭医学会の新しい後期研修プログラム・専門医認定制度 (以下nMRCGPと略す) を紹介する. そのnMRCGPと日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療後期研修プログラム・専門医認定制度を比較検討し, 日本の家庭医療専門医教育発展に向けた課題を抽出する. 方法 : nMRCGPの研修資料, 及びその参考文献をレビューし, そのレビューをもとに東北地方の家庭医療後期研修医・指導医でディスカッションを行った. 結果 : 英国と日本の家庭医療後期研修プログラム・専門医認定制度の比較から日本の家庭医療専門医教育の発展に向け3つの課題が抽出された. 1) 日本における新しい「家庭医」の定義の必要性, 2) 形成的評価としてのポートフォリオの重要性, 3) ポートフォリオ審査における明確な評価項目と基準の必要性. 結語 : nMRCGPの背景・概要の説明, 及び日本の家庭医療専門医教育の発展に向けた課題の抽出とその考察を行った.