著者
底田 辰之 澤井 俊宏 岩井 勝 野村 康之 竹内 義博
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.55-59, 2007-04-15 (Released:2007-11-15)
参考文献数
10
被引用文献数
3 3

症例は8歳,男児。3歳時に自閉症と診断され,養護学校に通学中である。平成17年11月16日,生来初めてのインフルエンザHAワクチンの接種を受けた。接種3日後より発熱があり,近医にて解熱剤,抗生剤を処方されていた。改善がないため再診したところ,強い炎症反応がみられたため入院となった。熱源不明のまま抗生剤投与を続けられたが,発熱の持続とともに急激な腎機能低下が判明したため当科に紹介入院となった。軽度の尿異常および尿中β2ミクログロブリンの著明な高値などから急性尿細管間質性腎炎を疑い,持続血液濾過透析を行いながらステロイドパルス療法を実施したところ,透析開始後6日目で利尿が得られ,以後順調に回復した。腎生検の結果から急性尿細管間質性腎炎であることを確認した。患児に投与された種々の薬剤を抗原としてリンパ球幼若化試験を実施したところ,インフルエンザHAワクチンの関与が疑われた。
著者
澤井 俊宏 新美 敦 山田 陽一 渡邊 和代 小関 健司 中井 英貴 本田 雅規 藤本 雄大 野阪 泰弘 上田 実
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.97-102, 1996-03-31 (Released:2017-11-05)
参考文献数
10

In the severely atrophic maxilla, prosthetic rehabilitation is difficult. However, rehabilitation using osseointegrated implants with bone grafting can resolve this problem. Among the various methods of bone graft to the maxilla, sinus lift is commonly used. This report presents two cases of oral rehabilitation using osseointegrated implants with the sinus lift. In case 1, grafted bone was harvested from the mental region of the mandible, and implantation was performed at the same time as the autogenous corticocancellous bone block graft. In case 2, grafted bone was harvested from the alveolar bone in the anterior region of the mandible, and implantation was performed secondarily after the autogenous particulate bone graft. Bone biopsy for histological analysis was performed in the above two cases. In both cases, new trabecular bone was observed in the augmented sinus floor. However, the trabeculae were more dense on the alveolar side than in the central area. In the case with splintered bone, empty bone lacunae were seen in the grafted region.
著者
澤井 俊宏 阪上 彩 野澤 正寛 岩井 勝 野村 康之 竹内 義博
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.172-175, 2008-11-15 (Released:2009-07-10)
参考文献数
10

症例は11歳,女児。生下時よりEllis-van Creveld症候群 (EvC症候群) と診断され,経過観察されている。平成18年の学校検尿で軽度の尿蛋白を指摘された。近医を受診し,早朝尿蛋白および臥床での尿蛋白が陰性であったことなどから起立性蛋白尿と診断された。翌年の学校検尿でも尿蛋白を指摘され,早朝尿蛋白も軽度陽性となっていたが,この時は精査されなかった。EvC症候群の定期受診の際に高血圧に気付かれ,血液検査で腎機能低下が判明し当科に紹介入院となった。腎生検の結果はネフロン癆に合致する所見であったため,腎機能の回復は困難であると判断した。患児は現在,腹膜透析を実施しながら腎移植待機中である。