著者
池田充宏 佐藤 修康 澤村 省逸 Mituhiro IKEDA Nobuyasu SATOU Shoitu SAWAMURA 日本赤十字秋田短期大学 ASLI 岩手大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-46, 1997-03-31
被引用文献数
1

近年,欧米では筋力の低下から来る日常生活への不適応を防ぐために,重量物等を使用した筋力強化運動が盛んに行われるようになってきた。中でも,ダンベル等の重量物を用いて行うアイソトニック・トレーニングは,トレーニングの目標を重さや回数を用いて具体的に決めやすく,手軽に実施できる利点がある。このような観点から,最近ダンベルを使った運動が手軽に出来る運動として,中高年を中心に盛んに行われ始めている。しかし,ダンベル運動実践者の中から重量,回数,頻度等の過負荷からくる関節及び筋肉等の運動器の障害が多く見られるようになった。この問題を解決するために,伸縮性の高いゴムバンドを使った運動が行われるようになってきた。そこで,本研究においてはダンベルを使った運動とゴムバンドを使った運動が生体にどのような影響を及ぼすかについて,力学的に解析することで両運動の特性を明らかにすることした。その結果,力学モデルによる比較においてダンベル運動には激力と呼ばれる筋及び関節を傷害する大きな力が作用することが明らかとなった。また,力学モデルに条件を指定して検討した結果からも同様の結果を得た。従って,筋及び関節への過負荷を防ぎ,運動効果を期待するためにはダンベル等の重量物を使用した運動よりゴムを使用した運動が初心者や中高年には有効であると思われる。
著者
鈴木 大地 鎌田 安久 栗林 徹 澤村 省逸 清水 将 SUZUKI Daichi KAMADA Yasuhisa KURIBAYASHI Toru SAWAMURA Shoitsu SHIMIZU Sho
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.14, pp.171-178, 2015

現代サッカーでは、ディフェンスでも主導権を握るため、チーム全員が高いディフェンス意識を持ち、ハードワークを行うことが大切である。前線から杯プレッシャーをかけ、髙い位置でボールを奪う、相手のプレーを限定することが求められるのである。こうして、前からプレッシャーをかけに行けば、相手は手段としてロングボールを蹴ってくることが想定される。そのとき、簡単に裏をとられたり、空中戦に負け、セカンドボールが支配できなければ、当然勝つチャンスは減少する。したがって、ロングボールに対しての空中戦は試合の勝敗を分ける重要なポイントとなり、試合に勝つためには確かなポジショニングから正確なヘディングで競り合う技術が求められる。ここで育成年代のサッカーに目を向けてみると、日本サッカー協会・技術委員会の発行する「2010 U-14 指導指針」の中で、U-14年代において「ヘディング」は技術的な課題の一つとして挙げられている。具体的には、U-14年代では、①ヘディングの競り合いで、しっかり落下点に入れないため、競り合いにならないことが多いこと、②競り合う際に相手を押しのけるために「手」を使ってしまうプレーが多くみられること、③競り合いのヘディングのあと、ボールを失うことが多く、アバウトなロングボールをきっかけに相手チームに攻撃のきっかけを与えていることが課題として挙げられている。そのため、落下地点に入り、正当に競り合い、競り合いの中でも、しっかり味方にパスするようなヘディングの技術を身につけることが大事であると言われている。さらに、2012年に行われたロンドンオリンピックや国内外のユース年代の各大会でも、ロングボールに対する対応、ヘディングの技術は課題として挙げられ、日本全体で取り組まなければならない課題であると言われている。そのため、サッカーの土台の完成期であるU-15年代までに、ヘディングの正しいフォームを身に付け、良いポジショニングから空中戦に競り勝ち、味方にパスをするためのトレーニングを反復して行うことは非常に重要であると考えられる。