著者
瀧波 慶和 三田 建一郎 長井 篤 山川 淳一 小原 洋昭
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.358-361, 2017 (Released:2018-02-07)
参考文献数
10
被引用文献数
1

77歳男性,主訴:左下顎部痛と重だるさ。左下顎部を中心に痛みがあり,近医で三叉神経痛第3枝領域と診断された。カルバマゼピンの処方により一時的に痛みは治まったが,再度同部位の焼けつくような痛みが出現し,当院ペインクリニック外来に紹介となった。1日に数十回の瞬間的な強い発作があり,うつ気分,食欲不振,意欲低下,口渇,下肢冷感,皮膚乾燥,舌診では紅色,やや腫大し,辺縁歯痕,舌尖紅,白苔。脈診で沈,腹診では腹力は虚(2/5)で心下痞,小腹不仁を認めた。下顎神経ブロックにより痛みは一時消失するが再燃を繰り返す状態で,この間も重だるさは継続していた。初診から35ヵ月後に,重だるさに対して抑肝散エキス7.5g/分3を処方したところ重だるさは消失した。1年6ヵ月経過した現在も下顎神経ブロックおよび鎮痛剤なしで経過している。
著者
瀧波 慶和 石本 琢郎 大谷 基司 服部 昌和
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.84-86, 2023-10-20 (Released:2023-10-27)
参考文献数
4

我々は2021年に,日本救急医学会中部地方会誌に「病院救急救命士は病院内でどのような役割を担えるのか:福井県内初の試み・福井厚生病院」を報告した1)。本稿では,先の報告後の1年間で,福井厚生病院所属の救急救命士(以下「当院救急救命士」)が取り組んだ具体的な業務内容について紹介する。 医療法人厚生会 福井厚生病院(以下「当院」)では,2021年4月に病院救急救命士を2名採用した。当院としても初めてであり,福井県内でも初の試みであった。一人は42歳男性で,元県内消防機関に所属しすべての特定行為実施可能な救急救命士,もう一人は22歳男性で,大学の救急救命士養成課程卒業後に県内消防機関に1年勤務後に当院入職し,気管挿管以外の特定行為が可能な救急救命士である。 当院は199床の中規模総合病院で,一般病棟74床,地域包括ケア病棟50床,精神科病棟41床,回復期リハビリ病棟34床より構成される。一方,救命救急センターには指定されておらず,救急部(救急総合診療科常勤医師4名),病院救急車1台を有する,二次救急医療施設および後方支援病院としての機能を持つ。