著者
灘 久代
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1_40-1_51, 2007 (Released:2008-07-07)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

目 的今日のわれわれ助産師が,助産師としての責務や役割を再認識し,専門職業人として活動できるための示唆を得る。対象と方法戦前から戦後,開業助産師として活動した助産師の聞き取り調査を平成17年2月~平成18年3月まで行った。そして対象者の時間軸に沿って,ライフヒストリーにまとめた。結 果開業助産師は,人々に喜びや安心感をもたらすために,確かな助産技術や判断力を持ち,同時に妊産婦のおかれている状況や家庭環境を把握するために,本人のみならず家族との人間関係やつながりを非常に大事にした。そして,常に妊産婦の味方となり,使命感を持って堂々と助産師としての役割を果たしてきた。結 論助産師には,いつの世においても堂々と責務を果たすために技が必要である。しかし1つひとつの実践は,単なる技に終わるものではない。人間愛や生命への慈しみを持ち,対象者に喜びや安心感をもたらすことも重要である。