著者
野村 豊子 照井 孫久 本山 潤一郎
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.135, pp.1-21, 2016-09-30

本研究はリーダーケアマネジャーに対するスーパービジョンの意義と課題に関して,最近の英国のスーパービジョン研究における展開を踏まえ,2 つの調査研究を元に検証したものである.第1 の研究はケアマネジャーの現状と課題分析を目的に実施した主任介護支援専門員に対する質問紙調査であり,第2 の研究は主任介護支援専門員を対象に行ったグループインタビューである.この調査の結果としてリーダーケアマネジャーとしてのスキルアップ,他の人との関わりの意義,他者への期待と,自身に対する自信のなさ,時間的・精神的ゆとりのなさの間に乖離が生じている現実が示された.スーパービジョンの手法の不明確さの改善については,ケアマネジメントの知識・技術の向上のための方法と,スーパーバイジーとその環境の調整を目指す目的を達成する多面的な方法が求められる.英国のモリソンらのモデルの応用も視野に入れることが示唆された
著者
丹野 克子 照井 孫久 遠藤 和子
出版者
日本保健医療福祉連携教育学会
雑誌
日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携 (ISSN:18836380)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.21-28, 2016

【目的】本研究では,訪問リハビリテーションサービスを提供する理学療法士および作業療法士(訪問リハ職)の連携の様態について,介護支援専門員(ケアマネ)との関係を中心に明らかにする。【方法】訪問リハ職10名に対するフォーカスグループインタビューの逐語データを質的統合法により分析した。【結果】セラピストの連携の様態は,「ケアマネとの人間関係側面」,「ケアマネとの業務の進め方側面」,「情報交換の機会」に困難さを抱える一方で,「ケアマネ側からの働きかけ」,「訪問リハ職側からの働きかけ」をお互いに行ないながら,「サービス提供過程におけるやりとり側面」「サービス提供過程における検討内容側面」を順調に行なっていた。【結論】訪問リハ職は,連携上の不満や困難感を潜在させつつ,業務上必要な連携のほか,配慮ある情報交換や調整に努力し,必要な業務やサービス提供を順調に進めているという構造が見出された。