著者
浜野 晋一郎 奈良 隆寛 野崎 秀次 福島 清美 今井 祐之 熊谷 公明 前川 喜平
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.58-64, 1991-01-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
20

N-isopropyl-p-I-123-iodoamphetamineによるsingle photon emission computed tomography (SPECT) を用いて25例の片麻痺の小児におけるcrossed cerebellar diaschisis (CCD) の出現について検討した.対象の25例のうち, 7例は脳性麻痺で, 18例は発症年齢10カ月から14歳の後天性脳障害である.その結果5例20%にCCDが認められた.CCDの認められた5例は7歳以後の発症で, それ以前の発症の後天性脳障害と脳性麻痺では認められなかった.Ipsilateral cerebellar diaschisisは3歳以下の発症の片麻痺の3例と脳性麻痺の2例に認められた.以上の結果から, diaschisisは3-7歳の間を境に出現の様式が異なり, 7歳以後には成人と同様のcrossed cerebellar diaschisisが認められると考えられた.
著者
堀田 秀樹 帆足 英一 奥山 裕子 熊谷 公明 遠藤 四郎
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.504-511, 1977

生後4ヵ月目に前屈発作が出現した点頭てんかん児にACTH療法, hydrocortisone療法, ケトン食療法を行なったが, 効果なく種々の発作型を推移し, 極度の精神運動発達遅延をきたした.われわれは本症例におけるACTH療法の適, 不適, 経過中みられた痙攣, その他の症状, 並びに治療に前後して行なった終夜睡眠ポリグラフィーにおける所見について検討した.その結果本症例における脳障害ぱ広範かつ重篶であり, その脳障害発現には点頭てんかん本来の脳障害に加えてホルモン剤などの影響もたぶんにあると思われた.
著者
栗原 まな 熊谷 公明 中江 陽一郎 野田 洋子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.505-511, 1998-11-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
7

新生児期発症を除く後天性小児低酸素性脳症13例のリハビリテーション (リハ) アプローチについて述べた.回復の度合を良好, 中等度, 軽度, 不変群に分けたが, 良好例はなく, 他は各々3, 3, 7例についてリハアプローチを呈示し, 発症状況, 現症, 機能的自立度 (functional independence measure: FIM) の改善度を比較検討した.5分以内に蘇生がなされ, 意識障害の持続が3日以内, 後遺運動障害はないか失調症の例で機能改善が良かった.FIM改善度では, 中等度回復群と不変群間には有意差が認められた.またいずれの群においてもリハ効果は認められた.