- 著者
-
有田 博之
熊谷 和美
三沢 眞一
- 出版者
- 社団法人 農業農村工学会
- 雑誌
- 農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
- 巻号頁・発行日
- vol.2006, no.244, pp.527-533, 2006-08-25 (Released:2011-08-11)
- 参考文献数
- 12
省力的で持続型農業を実現する農法として深水栽培法に注目し, 適用に必要な農地基盤・施設の整備課題を検討した.慣行農法より深めの湛水を行う深水栽培法は, 障害型冷害の防除手段として普及したが, 近年では省力化・増収・雑草防除等の技術として寒冷地以外でも一部農家が導入している.調査は, 深水栽培を行う東北・北海道地域の農家・土地改良区にアンケートと現地聴取りを行った、結果, 深水栽培を行う上で,(1) 湛水深を維持する畦畔の高さ・幅員の確保,(2) 畦畔の漏水防止対策,(3) 畦畔高の増大に適合するための用水路改修,(4) 地耐力増進のための排水対策, が基礎的・優先的な事項であることを明らかにし, それらの技術的課題を整理した.また, 深水栽培法がもつ新たな環境機能を指摘し, 今後の普及の可能性を示した.