著者
笠岡 俊志 大塚 洋平 牟田口 真 熊谷 和美 金子 唯 河村 宜克 鶴田 良介 前川 剛志
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.283-288, 2010-06-30 (Released:2023-03-31)
参考文献数
9

救急隊の活動中には現場や搬送の状況により良質な胸骨圧迫を実施できない可能性が指摘されている。本研究の目的は救急隊による心肺蘇生の質的評価と課題について検討することとし,救急救命士を対象に心肺蘇生の質に関するアンケート調査を行うとともに,蘇生訓練用シミュレーターを用いて胸骨圧迫の質および身体的ストレス度について評価した。アンケート調査では,蘇生活動時間のうち平均27%(中央値5分)は良質な胸骨圧迫を実施できていなかった。シミュレーターによる評価では,2分間の胸骨圧迫のうち約30%は良質な胸骨圧迫ではなかった。救急救命士の血圧・脈拍数・呼吸数で評価したストレス度は,胸骨圧迫実施前に比べ胸骨圧迫後に有意に上昇した。救急隊による心肺蘇生中には良質な胸骨圧迫を実施できない時間が存在し,改善策が必要である。
著者
有田 博之 熊谷 和美 三沢 眞一
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.244, pp.527-533, 2006-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

省力的で持続型農業を実現する農法として深水栽培法に注目し, 適用に必要な農地基盤・施設の整備課題を検討した.慣行農法より深めの湛水を行う深水栽培法は, 障害型冷害の防除手段として普及したが, 近年では省力化・増収・雑草防除等の技術として寒冷地以外でも一部農家が導入している.調査は, 深水栽培を行う東北・北海道地域の農家・土地改良区にアンケートと現地聴取りを行った、結果, 深水栽培を行う上で,(1) 湛水深を維持する畦畔の高さ・幅員の確保,(2) 畦畔の漏水防止対策,(3) 畦畔高の増大に適合するための用水路改修,(4) 地耐力増進のための排水対策, が基礎的・優先的な事項であることを明らかにし, それらの技術的課題を整理した.また, 深水栽培法がもつ新たな環境機能を指摘し, 今後の普及の可能性を示した.