著者
片山拓也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.1-6, 2013-03-06

近年,携帯電話や電子メールの普及に伴って手書きの機会が激減したことで,人々が自らの漢字力低下を実感するようになった.コンピュータでは,読みが分からない文字の入力を補助する機能として,手書き文字入力システムが開発されている.しかし,それらはいずれもポインティングデバイスを用いたシステムで,文字入力デバイスとして最も普及しているキーボードは読みが分からない文字の入力をサポートしていない.そこで,本研究では,キーボード上で指を滑らせて行うストローク操作を用いることで,キーボード使用時に漢字検索が行えるシステムを提案する.提案システムは,ストローク操作と文字入力操作を自動で識別する機構,ストローク操作によって入力された形状を認識する機構を備えており,認識されたストローク形状を元に入力漢字を推定する.被験者実験を行った結果,提案システムのアルゴリズムによってストローク形状の認識が有効に動作することを確認した.
著者
片山 拓也 村尾 和哉 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1667-1676, 2013-04-15

近年のコンピュータ小型化にともない,ウェアラブルコンピューティングに関する注目が高まっている.ウェアラブルコンピューティング環境では,携帯性や装着性の観点から小型の入出力デバイスが望まれる.一般に,コンピュータへの文字入力デバイスとしてはキーボードが広く普及しており,多くのユーザがキーボードの入力に慣れ親しんでいる.しかし,キータッチのしやすさなどのユーザビリティに影響を与えるため,キーボードの単純な小型化には限度がある.そこで本研究では,ユーザがすでに体得しているキーボード入力の能力を活かすために,既存のキー配列をそのままに保ちながらキーボードを左右に分割し,どちらか一方のみを用いる手法を提案する.提案手法では,単語の切れ目ごとにキーボード半分の打鍵情報のみから入力単語を推測する.提案手法を用いることで,従来のキーサイズと入力動作を最大限に保ったままキーボードの大きさを半減できる.In wearable computing, compact I/O devices are desirable from the viewpoint of portability. Now, many users are accustomed to input with a keyboard, however, there is a limitation of miniaturization because it degrades the performance of key touch. Therefore, in this paper, we propose a method to miniaturize a keyboard by excluding the half of it. The user can input words with one hand because the proposed system estimates the input word using keying interval, which appears also when the user inputs with both hands. From the result of user study, we confirmed that the user can input with only one hand and that it does not decrease input speed drastically.
著者
片山拓也 村尾和哉 寺田努 塚本昌彦
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.901-908, 2011-06-30

近年のコンピュータ小型化に伴い,ウェアラブルコンピューティングに関する注目が高まっている.ウェアラブルコンピューティング環境では,携帯性や装着性の観点から小型の入出力デバイスが望まれる.一般に,コンピュータへの入力デバイスとしてはキーボードが広く普及しており,多くのユーザがキーボードの入力に慣れ親しんでいる.しかし,ウェアラブルコンピューティングのためのキーボードの単純な小型化は,キータッチのしやすさなどのユーザビリティに影響をあたえるので限度がある.そこで本研究では,ユーザが既に体得しているキーボード入力の能力を活かすために,既存のキー配列をそのままにしながらキーボードを左右に分割し,どちらか一方のみを装着して用いる手法を提案する.提案手法では,単語の切れ目毎にキーボード半分の打鍵情報から入力単語を推測する.提案手法を用いることで,従来のキーサイズと入力動作を最大限に保ったままキーボードの大きさを半減できる.