著者
神田 和幸 原 大介 木村 勉 片岡 由美子
出版者
中京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

平成16年度:国内外の公的広報資料収集と統計資料整理、既成資料の調査、各種施設調査を実施。平成17年度:協力要請及び調査打ち合わせをした下記各機関の協力により調査を実施し、各資料を統合的に分析し、提言作成の基礎資料をえた。研究協力機関1. 特定非営利活動法人 手話技能検定協会本部、名古屋支部、大阪支部2. 名古屋身体障害者福祉連合会、名古屋身体障害者情報文化センター3. 名古屋聴覚言語障害者協会調査内容(主として面談調査)1. 現在の福祉・情報サービスへの不満2. 望まれる支援機器、支援システム、支援制度また実験調査遠隔通信による手話通訳サービスの実験を行った。平成18年度:前年度の聴覚障害者側のニード調査に対しサービス側はそれらをどのように受けとめているかを調査した。全国の上場非上場企業8,000社に郵便アンケートのよる企業側の意識を調査した結果、回収率は7%、578社から回答を得た。結果分析概要は(1)障害者雇用促進法の存在は90%が知っていた、実際に聴覚障害者を雇用している企業28%。今後の雇用予定もない企業がほとんどである。社員として雇用していないので、対策も何も採られていない。顧客としての聴覚障害者についても、ほとんど認識がない。客とのトラブルが何もないという回答が93%、聴覚障害者側のニードと大きな差があり、障害者側が一方的に我慢している実態がわかった。緊急時の対応も何もなされておらず、対策もとられていない。これは事故などにおける聴覚障害者の罹災率が高いことが世間に認識されておらず、緊急に改善を要する事柄である。聴覚障害者のニード調査で救急車やパトカーの音の区別ができる装置の希望が多かったが、こうした具体的な機器開発は当該研究グループ(聴覚班)内の会合で情報を交換しており、医療現場でのディスプレイの研究として発表され、また緊急音識別装置への研究へとつながった。