- 著者
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片瀬 隆雄
和田 英太郎
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.8, pp.451-456, 1990-08-05 (Released:2010-01-18)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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7
10
炭素及び窒素安定同位体比測定の試料を得る目的で,クロロフィルaをアオコ(Microcystis spp.)から1~10mgオーダーで単離する方法を検討した.凍結試料を無水硫酸ナトリウムと共に乳鉢中で混合し,アセトンで抽出後,同液からジオキサンで粗性クロロフィルを沈殿させ,更にジエチルアミノエチル-トヨパール陰イオン交換樹脂及びセファロース・ゲル濾過担体カラムでクロロフィルaを単離する方法を検討した.この方法で,実際に諏訪湖から経時的に採取したアオコの4試料からクロロフィルaを2.3~3.8mg単離し,未処理の乾燥アオコ及び単離の過程で得られた分画物を合わせて18試料の炭素同位体比(13C/12C)及び窒素同体比(15N/14N)を測定した.その結果,アオコ単離のクロロフィルaの炭素・窒素同位体比が経時的に変化していることが明らかとなった.