著者
堀井 勇一 ゲート ペトリック 岡田 誠 片瀬 隆雄 蒲生 俊敬 山下 信義
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.257-257, 2004

残留性有機汚染物質(POPs)の全地球的な環境挙動把握と発生源推定を行うためには従来の組成分析法では信頼性に乏しい。本研究では新規に開発した二次元ガスクロマトグラフ同位体比質量分析計を用い、ポリ塩素化ビフェニル(PCB)・ポリ塩素化ナフタレン(PCN)製剤、及びハロゲン系の揮発性有機化合物の炭素同位体比分析を行った。PCBについては、すでに報告されている日欧米製剤に加え東欧諸国(ポーランド・チェコ・ロシア)の製剤も分析し、PCNについては世界各国で使用された米国製のHalowax製剤シリーズを分析、各種製剤の傾向を解析した。さらに、これら半揮発性化合物であるPCB・PCNの比較として、異なる製造元から収集した揮発性の有機溶剤についても分析し、各種ハロゲン系有機汚染物質の物性及び炭素数や塩素・臭素置換等の構造の違いにより同位体組成に差があるか注目した。
著者
片瀬 隆雄 和田 英太郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.451-456, 1990-08-05 (Released:2010-01-18)
参考文献数
16
被引用文献数
7 10

炭素及び窒素安定同位体比測定の試料を得る目的で,クロロフィルaをアオコ(Microcystis spp.)から1~10mgオーダーで単離する方法を検討した.凍結試料を無水硫酸ナトリウムと共に乳鉢中で混合し,アセトンで抽出後,同液からジオキサンで粗性クロロフィルを沈殿させ,更にジエチルアミノエチル-トヨパール陰イオン交換樹脂及びセファロース・ゲル濾過担体カラムでクロロフィルaを単離する方法を検討した.この方法で,実際に諏訪湖から経時的に採取したアオコの4試料からクロロフィルaを2.3~3.8mg単離し,未処理の乾燥アオコ及び単離の過程で得られた分画物を合わせて18試料の炭素同位体比(13C/12C)及び窒素同体比(15N/14N)を測定した.その結果,アオコ単離のクロロフィルaの炭素・窒素同位体比が経時的に変化していることが明らかとなった.