著者
堀井 勇一 ゲート ペトリック 岡田 誠 片瀬 隆雄 蒲生 俊敬 山下 信義
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.257-257, 2004

残留性有機汚染物質(POPs)の全地球的な環境挙動把握と発生源推定を行うためには従来の組成分析法では信頼性に乏しい。本研究では新規に開発した二次元ガスクロマトグラフ同位体比質量分析計を用い、ポリ塩素化ビフェニル(PCB)・ポリ塩素化ナフタレン(PCN)製剤、及びハロゲン系の揮発性有機化合物の炭素同位体比分析を行った。PCBについては、すでに報告されている日欧米製剤に加え東欧諸国(ポーランド・チェコ・ロシア)の製剤も分析し、PCNについては世界各国で使用された米国製のHalowax製剤シリーズを分析、各種製剤の傾向を解析した。さらに、これら半揮発性化合物であるPCB・PCNの比較として、異なる製造元から収集した揮発性の有機溶剤についても分析し、各種ハロゲン系有機汚染物質の物性及び炭素数や塩素・臭素置換等の構造の違いにより同位体組成に差があるか注目した。
著者
伊藤 富造 本田 秀之 富永 健 巻出 義紘 八巻 竜太郎 中澤 高清 橋田 元 酒井 均 提 眞 蒲生 俊敬
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.49-61, 1989-12
被引用文献数
2

1988年5月21日に, 三陸大気球実験場でクライオジェニックサンプラーを用いて成層圏大気採取実験を行なった。高度19kmから30kmにわたる7高度で採取された大気の精密分析を行った結果, CFC-11,CFC-12,CFC-113,CCl_4,CH_3CCl_3,CO_2,CH_4,δ^<13>C, δ^<18>Oの高度分布が得られた。
著者
蒲生 俊敬
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

前年度製作の可搬型高精度ガス分析システムに改良を加えつつ,フィールド観測への応用を図り,沿岸及び外洋海水中に溶存する水素の分析データを蓄積した。水素の供給源や消費速度について他の気体とも比較しつつ考察を進めた。平成20年5月19日〜5月26日,および同年10月20〜22日にかけて,東京大学海洋研究所附属国際沿岸海洋センター(岩手県大槌町)に本システムを持参し,大槌湾内および大槌川河口域での観測を実施した。河口域において大気平衡時濃度の95倍という極めて高濃度の溶存H_2を観測した。大槌湾における溶存H_2,COおよびCH_4濃度は,塩分との関係からみて,濃度の高い河口域の水,濃度の低い大槌川の水,および外洋性の海水の混合によって決まると推定した。また,大槌湾表層水の溶存H_2はすべて過飽和(136〜9478%)であり,このことから大槌湾表層水から大気への明確なH_2の放出を明らかにした。溶存H_2とCOは類似した挙動を示すことから,同一の供給源すなわち有機物の無機的な光分解に由来する可能性のあることを示したなお,大槌川河口域では高濃度の溶存CH_4が検出されたことから,還元的な微小環境の存在が示唆され,そこでH_2も生成する可能性がある。さらに,外洋域でもデータを取得するため,6月24日から7月4日にかけて,学術研究船「淡青丸」KT-08-14航海に参加し,相模湾・伊豆黒潮周辺海域における溶存H_2およびCO濃度の観測を行った。黒潮海域ではクロロフィル濃度極大と溶存H_2濃度極大の深度が合致することを見いだした。H_2濃度極大(過飽和)をもたらすプロセスとして,(1)有機物の非生物的な光分解,(2)微小還元環境での嫌気性バクテリアによる有機物の発酵による生成,および(3)海洋シアノバクテリア等の窒素固定に伴う生成,の可能性を指摘した。9月17日〜9月19日に開催の日本地球化学会年会および日本海洋学会秋季大会において中間発表を行ってレヴューを受け,平成21年3月までに最終結果を取り纏めた。