著者
片田 房 上野 義雄 CAMPOSANO Siverlyn M.
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、社会性やコミュニケーションの障害を特徴とするギーク症候群(発達障害)の大学における実態を日本とフィリピン共和国を中心に調査し、ギーク症候群的気質を考慮したカリキュラム開発の妥当性を示した。特に英語によるコミュニケーション能力開発が求められる理工系学生においては、基礎数学や科学分野の材料を使用した理工系ESP(English for Specific Purposes)が有効であることを提言した。本研究は、才能と障害の連続性を啓蒙し、多様性を尊重するインクルーシブ教育の理念と大学の統一カリキュラムとの間に乖離が存在することを指摘すると共に、その一対策を提示することに貢献した。
著者
片田 房
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.440, pp.7-12, 2015-01-23

コンピュータや情報通信環境のユビキタスによって進行するグローバル化の時代は,コミュニケーション推進主義と表裏一体の時代でもある.殊に理工系技術者がコミュニケーション能力を有することの重要性が認識され,非英語圏においては英語によるコミュニケーション能力の育成を緊急課題とする提言も多い.しかし,社会性やコミュニケーション能力の脆弱性の目立つ人口が急増しつつあるといわれる昨今の状況と,整合性のある提言であるかどうかは議論の余地がある.本稿では,コミュニケーション推進主義とコミュニケーションの脆弱性との間の乖離を巡る現象を考察する.更に,理工系学生の気質的傾向に関する実態調査に基づき,効果的な英語教育の方法とコミュニケーション能力開発との接点を探る.