著者
牧 陽一
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 = Saitama University Review. Faculty of Liberal Arts (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.109-123, 2020

不在をキーワードにして中国、韓国、日本の作品を比較検討する。まず岳敏君の「無人の風景シリーズ」と小泉明郎の「空気シリーズ」を取り上げて、その影の持つ不可視性について考察する。さらに空っぽの椅子の表象に注目し、キム・ウンソン & キム・ソギョン「平和の碑」から対話への希望と不戦へのメッセージを見出す。また不戦の具体的な意図を銃の表象に求め、小沢剛「ベジタブル・ウェポン」や尹秀珍「時尚恐怖主義」に共通する危機感を考察する。最後には二重の不在である毛同強「我有一個夢 I Have a Dream」を取り上げて、不可視的な観念の世界で結びあう可能性がある事を指摘する。

2 0 0 0 OA 艾未未2011

著者
牧 陽一
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.179-192, 2011 (Released:2011-10-28)
著者
牧 陽一
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

広州・上海・北京へと大規模な調査を実施し、現代アートの状況を取材した。中国の地域によって芸術区の現状はかなり相違しており、それぞれの特色が見出せる。また現代アートの趨勢として、単にバブル経済に乗って商品化を進めるばかりではないことが明白になった。現代アートは体制的な「社会主義リアリズム」からは遠く対照的である。彼らは「貧困」「格差」といった今日の課題に対して、現代アートの言語で全媒介を使って鋭角的に表現する「ピュア・リアリズム」を誕生させた。