著者
橋本 鶴人
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.239-254, 2019

近世の関東甲信に所在した神事舞太夫・梓神子を支配した神道系宗教者集団習合家は、神職・陰陽師・夷願人・修験など他の宗教者集団との争論を通じて「家職」と称する固有の職分を確立していった。習合家にとって、梓神子職の独占は組織を維持する上で至上の課題としていたが、近世後期の段階で類似する行為を行う者が多数現れた。その中で、当山派・本山派修験が組織する神子により梓神子職の核になる「ささばたき」の法式が執行されていることが判明して文政四年に習合家は本山派修験と争論に及んだ。梓神子職に紛らわしい行為を執行する修験の背後には神職本所の吉田家が存在し、争論は習合家にとっては修験の対立のみならず、吉田家との対立を内包するものであった。本稿では、修験との争論を中心に、文政年間に展開された習合家と他の宗教者の争論を概観し、近世後期における宗教者の様相と彼らを取り巻く社会状況を明らかにすることを試みるものである。
著者
中村 大介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.129-147, 2020

漢代の遼東郡は楽浪郡とならんで、朝鮮半島や日本列島の社会に関連の深い地域である。さらに、王莽期頃から烏桓が塞内でも活動していたことが、発掘によってわかってきた。そこで、本稿では遼東半島の墓を軸に時期的変遷と交流関係について考察を行い、当時の交易活動について検討した。その結果、東の膠東半島と北の騎馬遊牧民との仲介者として貝墓を造営していた人々の活動が重要であることが理解された。訂正(1p)あり
著者
水野 博介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.167-174, 2014

1 問題意識2 『ガールズ&パンツァー(略称:ガルパン)』聖地巡礼①「聖地」をめぐる概要②まち歩き③「大洗町商工会」へのインタビュー3 『耳をすませば(略称:耳すま)』①「聖地」をめぐる概要②まち歩き③「せいせき観光まちづくり協議会」へのインタビュー4 結語:
著者
沢田 和彦 畠山 雄三郎
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.203-222, 2021

本号から数回にわたって長崎市の長崎歴史文化博物館所蔵の『東京親朋書翰綴込』の翻刻を連載する。志賀親朋は本邦最初のプロのロシア語通詞である。第一回は文久元(一八六一)年二月十五日から八月十八日までの書翰計十一通を紹介する。
著者
山中 信彦
出版者
埼玉大学
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.165-226, 2006-03-31

朝日新聞記事コーパスに基づいて「強姦」及びその言い換えの用法を分析した。まず、1999年の「強姦」を含む記事133件と「レイプ」を含む記事92件を比較し、「強姦」は「レイプ」に比べ、記事レベルでは(1)外国を舞台にしたものが少ない(2)記事類型が報道に偏っている(3)個別犯罪事件をテーマにしたものが多いこと、用例レベルでは(1)見出しに含まれる率が高い(2)自立度の低い統語形式で使われる傾向が強い(3)受動形で使われる率が低いことを見出した。次に、「強姦」の用法の経年変化を調べるため、1999年のデータと2004年の3か月分の記事123件を比較した。2004年は1999年に比べ記事件数が倍増し、記事あたりの用例数が三割増えている。「強姦」が地の文の中で使われる割合は2004年の方が多いが、これは特にサ変動詞において顕著である。これらの事実は、現在「強姦」がより大胆に使われつつあることを示唆する。最後に、「乱暴」「暴行」が性暴力の意味で使われているかどうかをいかにして判断しうるのか、という問題を考察するため、1989年の「乱暴」「暴行」両方を含む98件の記事を調べ、性暴力の場合にはそれらしい状況の記述や常套語句、そうでない場合には当事者たちの性別や暴行の様態の記述、などの文脈情報によって、ごく稀な事例を除いて一義的に解釈できることを見出した。
著者
水野 博介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.309-318, 2011

1 仮説と問題意識2 検証方法 (1) データベース (2) 「創作者」についての情報 (3) 時代背景等3 Jポップ成立前夜4 Jポップの成立以降5 20世紀末~21世紀初頭6 結語
著者
高木 英至
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.149-159, 2012

高木(2010)で作成した恋愛関係形成のシミュレーションモデルをもとに, 恋愛関係における戦略が進化するシミュレーションモデルを作成し, 試行的に実施した. シミュレーション結果では次の結果(モデルの予測)が観察された. 1) 社会的望ましさを相手に求める傾向は, 望ましさが高い者ほど強い. 望ましさによるこの相違は, 両性が自由にプロポーズできる場合に顕著である. 2) 社会的に望ましい者は恋愛における積極性(プロポーズや受諾のしやすさ)が低くなる. またプロポーズ権に不平等があるとき, プロポーズ権のない側は積極性が低下する. 3) 相手との釣合いを求める傾向は社会的望ましさの高い者ほど強い. 釣合いを求める傾向はまた, プロポーズ権が両性にある場合に高くなる. さらに, 戦略進化の結果としてカップル間の望ましさにおける釣合いが高まることも示された. このシミュレーション結果は, 相互作用状況の構造的要因から個人レヴェルの志向が生まれる可能性を示唆している.
著者
岡崎 勝世
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.33-89, 2017

はじめに第1章 近代教育体制確立期における世界史教育(1886、明治19~1893、明治26)1.中学校令(1886、明治19)と世界史教育2.帝国大学と史学科の発足3.天野為之『萬國歴史』(1887、明治20) ―初期文明史型万国史―4.スウィントン『世界史概説』と木村一歩『萬國歴史』(1891、明治24)5.文明史型万国史教科書の二つのタイプ6.中国史の革新 (以上、前号)第2章 近代教育体制整備期における世界史教育(1894、明治27~1902、明治35)1.「完成期文明史型万国史」2.国史・東洋史・西洋史「三分科制」の提起3.「官学アカデミズム史学」の形成とドイツ近代歴史学4.万国史教科書の消滅と東洋史教科書、西洋史教科書の分立へ (本号)おわりに
著者
水野 博介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.175-182, 2014

1 はじめに2 リキッドモダンの諸相①都市の変容あるいは西洋的中世への回帰②非市民的な公的空間③相互不干渉な消費空間としての消費の殿堂④軽い近代⑤「現在」を生きる現代人3 リキッドモダンにおけるメディアの現状(前稿の続き)①日本のテレビ番組の「消費の殿堂」化②ネットの発展と特権的な場所の消滅?③刹那的なメディア消費4 結語
著者
水野 博介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.159-164, 2013

1 はじめに2 リキッドモダンとは何か? ~近代史の現段階の比喩~ ① 近代の流動性 ② 自由と解放 ③ 個人化 ④ 人間的絆のネットワークの解体3 リキッドモダンにおけるメディアの現状4 リキッドモダンにおける「監視」の概要 ① パノプティコン時代 ② ポスト・パノプティコン時代5 結語
著者
岡崎 勝世
出版者
埼玉大学
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.1-63, 2006-03-31

紀要掲載論文に著者が修正を加えたもの

2 0 0 0 IR 力能と様相

著者
加地 大介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.65-80, 2016
著者
水野 博介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.247-252, 2013

1 問題意識2 「アニメの聖地巡礼」とは何か? ① "宗教的"行為としての「聖地巡礼」 ② 作品世界への没入あるいはファッション3 「らき☆すた」を用いた地域活性化 ① 本来あった「地域資源」の活用 ② 祭りの全国化あるいは国際化 ③ 他のメディア関連イベントとのリンク ④ 他のコミュニティ・イベントとのリンク4 結語:コミュニティと若者
著者
髙山 巖
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.95-118, 2006 (Released:2007-06-18)

2 0 0 0 OA 艾未未2011

著者
牧 陽一
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.179-192, 2011 (Released:2011-10-28)