著者
丸山 卓郎 川原 信夫 吹春 俊光 横山 和正 牧野 由紀子 合田 幸広
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.49-54, 2005
被引用文献数
1 4

2002年6月よりサイロシン類含有キノコが麻薬原料植物に指定されたことから,これに代わり,ベニテングタケ (<i>Amanita muscaria</i>) が,さまざまな形態で販売されている.本研究では,DNA分析および成分分析により,これらベニテングタケ関連商品の実態調査を行った.DNA分析の結果,上記商品の基原種は,<i>A. muscaria</i> あるいはその変種であると推定された.また,これらは,3つの遺伝子型に分類され,その多くが海外産であると思われた.一方,LC/MS分析により添加物質としてハルミン類およびトリプタミン類がそれぞれ2種,検出された.このうち,ハルミン類含有商品からは,ハルマラ (<i>Peganum harmala</i>)のmatK遺伝子が検出され,これらの商品中のハルミン類が,ハルマラ組織に由来することが明らかとなった.
著者
丸山 卓郎 代田 修 川原 信夫 横山 和正 牧野 由紀子 合田 幸広
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.44-48, 2003-02-25
参考文献数
7
被引用文献数
11

マジックマッシュルームは,幻覚性物質であるサイロシンおよびサイロシビンを含有するキノコである.最近,これらのキノコ類は日本において麻薬原料植物として規制対象となった.他方,同キノコ類は多種にわたる上,粉末状態で流通する場合もあり,形態学的な手法では同定が難しい場合が多い.本研究では,遺伝子情報を基にした同キノコ類の同定法開発を目的として,国内流通品のrRNA遺伝子の内部転写スペーサー (internal transcribed spacer, ITS) 領域を解析し,その結果を基に国内流通品を6種に分類した.次いで,解析結果を標品およびデータベース中の塩基配列と比較することにより,流通品の基原種を明らかにした.さらに,LCを用いサイロシン含量を調べた結果,<i>Panaeolus cyanescens</i> が最も高い数値を示し,<i>Amanita</i> 属の2種では検出されなかった.
著者
高木 敏之 木本 茂 牧野 由紀子 那須 正夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.197-201, 1997-06-30 (Released:2008-05-30)
参考文献数
2
被引用文献数
3 2

The recently abused substances called "legal drugs", such as Natural Ecstacy, Herbal Ecstacy and RUSH, were analyzed to confirm that they contain no controlled drugs using gas chromatography (GC) and gas chromatography-mass spectrometry (GC-MS). Seventeen samples were examined for narcotics, stimulants or other controlled substances. While none of them were detected, ephedrine and pseudoephedrine were found in five samples. Their concentrations were determined by high-performance liquid chromatography (LC) to be below ten per cent, within the limit regulated by the stimulants control law. Caffeine was also detected in seven samples. Therefore, the exciting effect of the "legal drugs" was considered to be caused by ephedrine, pseudoephedrine and caffeine.