- 著者
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浮山 越史
伊藤 泰雄
韮澤 融司
渡辺 佳子
吉田 史子
牧野 篤司
- 出版者
- 日本腹部救急医学会
- 雑誌
- 日本腹部救急医学会雑誌
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.63-68, 2009
当教室の小児腹部外傷患者の経験をもとに,診療のコツ,について考察した。重症度判定では腹部外傷スコア(ATS)が有効であった。交通外傷,転倒・転落では実質臓器損傷が多かった。自転車転倒によるハンドル外傷では,十二指腸損傷が多く,疑われる場合には,上部消化管造影や造影CTが有用であった。膵仮性嚢胞は最大径60mm以上で,40日以内に軽快しない場合には手術適応であった。実質臓器損傷は保存的治療を基本としているが,急変の可能性を考慮し,繰り返す診察と検査,24時間モニターによる観察が必要であり,急変時に備えて,IVR・手術の24時間体制の構築が重要である。