著者
木富 悠花 犬飼 義明
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.61-71, 2011 (Released:2013-11-20)
参考文献数
56

イネはいわゆる“ひげ根状根系”を形成し,地上部の基部茎葉節から数多くの不定根 (冠根) を発生させる.根の発生はオーキシンにより正に,またサイトカイニンにより負に制御されるが,その分子機構は未解明のままである.そこで著者らの研究グループでは冠根数が著しく減少するイネcrl変異体を材料とし,その中でも冠根原基形成の最も初期段階であるinitiationの過程が阻害されるcrl1, crl4およびcrl5変異体を用いた解析を行ってきた.その結果,CRL4/OsGNOMはオーキシン極性輸送に関与する因子をコードし,基部茎葉節への適切なオーキシンの輸送とinitiation領域での局所的なオーキシンの蓄積を確立することで冠根原基の発生を促すことが考えられた.またCRL1/ARL1およびCRL5はオーキシンシグナル伝達を制御するARFに直接的に発現を誘導され,最終的に冠根形成を正に制御する遺伝子であるということが示唆された.このうちCRL5はサイトカイニンシグナル伝達を負に制御することにより冠根形成を促すことが判明し,オーキシンシグナル伝達とサイトカイニンシグナル伝達を仲介する重要な機能を担うことが示された.
著者
小川 敦史 我彦 広悦 犬飼 義明 犬飼 義明
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,1)作物根系の大部分を占める側根原基ならびにその周辺組織における,浸透圧ストレス条件下での発現遺伝子ならびに代謝物質の変動の網羅的解析,2)冠根および側根数が著しく減少するイネ突然変異体の特徴の解明と,その原因遺伝子の単離および機能解析,3)糖代謝関連酵素の根系形成への関与の解明,4)オーキシンやサイトカイニンの働きを制御する腫瘍誘発遺伝子群の一つである6b遺伝子を導入した植物体での根系形成やホルモンの分配の解明を行った.