著者
狭間 節子 橋本 是浩
出版者
大阪教育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

主要な研究成果は、次の3点に要約できる。(1)ジオボード(格子点)を使った数学的活動の特性を明確にし、その特性を活かした小・中・高校の数学的活動の枠組みを決定し、教材策定を行った。ジオボードの活動は、ボード上の図形間の関係についての子どもの気づきや疑問から出発し、分析、分類を通して関係を精密にし、推測を検証・精錬し、一般化及び形式化に至る数学化の過程であり、特に、関係の分析は、総合・統合を介する分析として、次の点を明確にした:(1)全体的・直観的把握から分析へ (2)図形の外部との関係へ広がる分析(3)移動や拡大・縮小と結びつく分析 (4)ジオボードから格子点へ広がる分析(5)長さ、面積などの連続量を、点や線分の数などの分離量に結びつける分析(2)上記の特性を活かした数学的活動の枠組みを設定し、素材開発と教材策定を行った。【小学校 低・中学年】実際的操作や観察を基に形を動的に全体的・直観的に捉え、分類する活動・形づくりと形の変形(★) *周一定な図形の面積(★)【小学校 高学年〜中学校 前期】分析・分類により推測を検証・精錬し、一般化へいたる活動*図形の等周変形 *正方形くずし(★)*フェアリ-数列 ・ピックの定理の発見的アプローチ(★)【中学校 後期〜高校】格子点を使った関係の一般化、形式化、及び局部的な論理的構成の活動*等周変形とピックの定理 *オイラーの定理を用いたピックの定理の証明上記*印の題材は素材開発にあたり、★印は授業実践によって検討、検証した。(3)実践では、ジオボードの数学的活動は、手(実際的操作)と目(イメージ)と頭(思考)と口(言語表現・伝達)が同時に働く、認知的・情意的両面からの子どもの"whole brain"の活動として検証された。トランプ型「ジオカード」考案により、分析・分類を手軽に興味ある活動にした。グループ活動による成果も大きく、また次の課題意識へつながるオープンエンドの様相を呈したことは注目に値する。