- 著者
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玉置 了
- 出版者
- 近畿大学商経学会
- 雑誌
- 商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.203-217, 2011-12-01
[概要] 本研究は, 消費者が所有物の処分を意思決定する契機を消費者のアイデンティティ形成志向という視点から明らかにする。本研究では, まず消費者のアイデンティティ形成意識, 消費者のアイデンティティ形成過程における処分行動, 消費者の処分行動に関する議論といった3つの議論に関わる先行研究をレビューし, 本研究の問題を設定する。 さらに, 本研究では, 質問紙調査により消費者の処分行動の意思決定の契機の差異をアイデンティティ形成志向の違いから明らかにする。先行研究にしたがって調査の枠組みを設定し, 重回帰分析を行い, (1)自己イメージの一致を意識した購買, (2)プランド・イメージを重視する購買, (3)流行を意識した購買, (4)取揃え・コーディネートを意識した購買と使用, (5)製品利用の熟練を重視する使用, (6)創造的消費を重視した使用, それぞれのアイデンティティ形成志向の違いによって, 処分を意思決定する契機が異なることを明らかにする。 [Abstract] This Study analyzes consumer's decision makeing about them disposition behavior from a view point of the consumer's identity formation. First, We revew the exsisting study about consumer's identity formation, consumer's disposition behavior in the identity formation process and consumer's disposition behavior. And, We set a research question based on these exsisting studies. Second, We conduct questionnaire method and analyzed data by a multiple regression analysis. As a result, Identity formation-oriented differences brings some differences for decision making of the disposition.