- 著者
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王 彩華
坂上 勝彦
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
- 巻号頁・発行日
- vol.81, no.8, pp.1885-1894, 1998-08-25
- 被引用文献数
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10
ステレオマッチングの信頼性と精度を向上するために, モーションステレオによって3次元物体形状を獲得する手法を提案する.本手法では, 2枚のステレオ画像のほかに, 物体を少しだけ動かして撮影したもう2枚のステレオの画像(合計4枚)を使う.まず, 4枚の画像から求められるステレオマッチングとオプティカルフローを, 背景が静止で物体が剛体である条件のもとで統合し4枚の画像間の対応を求める.ステレオ情報とモーション情報を同時に使うことによって, 従来のステレオ手法より信頼性の高いマッチングが得られる.更に, 4枚の画像の間の対応をアクティブネットで表し, 各ネットの内部ひずみ, 画像間の適合性, 視差と動きの整合性, 局所剛体性によって定義されているネットのエネルギー汎関数を最小化することによって, 4枚の画像の間の最適マッチングを求める.また, 剛体性のある動き領域(物体)を抽出し, 3次元物体形状を獲得することができる.いくつかの画像での実験結果はこの手法の有効性を示している.