- 著者
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岩室 雅也
田中 健大
榮 浩行
安部 真
河野 吉泰
神崎 洋光
川野 誠司
河原 祥朗
岡田 裕之
- 出版者
- 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
- 雑誌
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.1, pp.29-36, 2022 (Released:2022-01-20)
- 参考文献数
- 18
【背景・目的】胃癌と非癌粘膜の白色球状外観(white globe appearance:WGA)の違いを明らかにする.【方法】胃WGA症例の内視鏡所見と臨床的特徴を後ろ向きに解析した.【結果】胃癌18例,非癌23例にWGAを認めた.胃癌症例は7例(38.9%),非癌症例は17例(73.9%)がプロトンポンプ阻害剤(proton pump inhibitor:PPI)を内服していた.病理学的には,胃癌症例(18例)のうち腺管の嚢胞状拡張は12例(66.7%),腺腔内壊死物質は12例(66.7%),壁細胞の過形成と内腔への鋸歯状の突出(parietal cell protrusion:PCP)は1例(5.6%)でみられた.一方,非癌症例のうち14例で生検が実施され,腺管の嚢胞状拡張は8例(57.1%),PCPは7例(50.0%)でみられたが,腺腔内壊死物質は指摘できなかった.非癌群において,自己免疫性胃炎を2例,内視鏡的粘膜下層剝離術後瘢痕を2例,腺腫を1例,ランタン沈着を1例,胃MALTリンパ腫を1例に認めた.【結論】胃癌粘膜と非癌粘膜ではWGAの成因は異なり,非癌症例ではPPI服用が関与している可能性が示唆された.