著者
松本 亮介 田中 諒介 栗林 健太郎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-41, no.13, pp.1-8, 2018-05-10

クラウドサービスの普及に伴い,個人の Web サイトでもクラウドサービスに類する機能を利用して,突発的なアクセス集中に耐性があり,かつ,利用したリソース使用量に応じて課金するサービスの提供が求められている.我々はその要求に応じるために,Web サイトをコンテナ上に構築し,コンテナの起動や停止,複製やリソース割り当てといった状態の変更を素早く実行できるコンテナ管理アーキテクチャ FastContainer を提案した.一方で,単一のコンテナが特定のサーバに収容されている状態で,サーバが過負荷に陥ったり停止したりするような状況においては,障害時にコンテナの収容サーバ情報の変更を手動で構成管理データベースに反映させる必要があった.本研究では,HTTP リクエスト処理時において,収容サーバ,および,その経路までの状態に応じて,自動的にコンテナを収容するサーバを決定し,サービスを継続させる,HTTP リクエスト単位でのコンテナスケジューリング手法を提案する.提案手法では,FastContainer の状態変化の高速性に基づいて,コンテナが頻繁に収容サーバを変更されてもサービスに影響がないことを利用する.それによって,プロキシサーバから収容サーバに 1 個の ICMP パケットで応答速度を計測し,少ないパケット数と短いタイムアウトで収容サーバの反応時間を計測できる.そのことで,HTTP リクエスト単位でのコンテナスケジューリングを実現する.
著者
宮下 賢 田中 諒 長谷川 丈二 中西 和樹 森岡 和大 曾 湖烈 加藤 俊吾 内山 一美 齊藤 和憲 渋川 雅美 中嶋 秀
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.469-478, 2018-08-05 (Released:2018-09-08)
参考文献数
29

相分離を伴うゾルゲル法を用いてマクロ多孔性のレゾルシノール─ホルムアルデヒドゲルを合成し,これを不活性雰囲気下で焼成してグラファイト化することによりカーボンモノリスを作製した.作製したカーボンモノリスを用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムを試作し,金属-EDTA錯体の保持特性を検討したところ,カーボンモノリスカラムは多孔質グラファイトカーボン(PGC)カラムと同様に酸化還元能を有しており,Co(II)-EDTA錯体をCo(III)-EDTA錯体に酸化することが明らかになった.また,カーボンモノリスカラムを還元剤で処理すると,その酸化還元能が変化することも明らかになった.そこで,HPLCの分離選択性の向上を目的として,カーボンモノリスカラムを酸化還元ユニットとして2本のODSカラムの間に設置したオンライン酸化還元化学種変換HPLCシステムを構築し,これを用いてCo錯体を他の金属錯体から選択的に分離できることを示した.さらに,本システムを用いて銅合金中に含まれる微量コバルトを分離定量できることを実証した.