著者
中嶋 秀人 原 誠 石原 正樹 小川 克彦
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.197-204, 2022-08-01 (Released:2022-09-27)
参考文献数
47
被引用文献数
1

COVID-19 罹患後症状・Long COVID は,これまで新型コロナ後遺症,新型コロナウイルス (SARS- CoV-2) 急性感染後症候群とも呼ばれ,COVID-19 罹患後に感染性は消失したにもかかわらず,急性期から持続する症状や経過途中から新たに生じて持続する症状全般を指す.代表的な症状として,①全身症状:疲労感・倦怠感,関節痛,筋肉痛,②呼吸器症状:咳,喀痰,息切れ,胸痛,③精神・神経症状:記憶障害,集中力低下,不眠・睡眠障害,頭痛,抑うつ,筋力低下,④その他:嗅覚障害,味覚障害,脱毛,動悸,下痢,腹痛があげられる.LongCOVID の病態機序として,急性期からの遷延症状,肺機能低下がもたらす全身症状,集中治療後症候群などの複合的要因によるものが考えられ,神経症状としては中枢神経へのウイルス感染による神経障害,全身炎症に伴う中枢神経への炎症の波及,COVID-19 に誘導された自己抗体による神経障害などが想定されるが不明点が多い.Long COVID の症状は多岐であり,多分野におけるアプローチ・フォローアップが必要と考えられる.
著者
望月 秀樹 青木 正志 池中 建介 井上 治久 岩坪 威 宇川 義一 岡澤 均 小野 賢二郎 小野寺 理 北川 一夫 齊藤 祐子 下畑 享良 髙橋 良輔 戸田 達史 中原 仁 松本 理器 水澤 英洋 三井 純 村山 繁雄 勝野 雅央 日本神経学会将来構想委員会 青木 吉嗣 石浦 浩之 和泉 唯信 小池 春樹 島田 斉 髙橋 祐二 徳田 隆彦 中嶋 秀人 波田野 琢 三澤 園子 渡辺 宏久
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001695, (Released:2022-05-28)

日本神経学会では,脳神経内科領域の研究・教育・診療,特に研究の方向性や学会としてのあるべき姿について審議し,水澤代表理事が中心となり国などに対して提言を行うために作成委員*が選ばれ,2013年に「脳神経疾患克服に向けた研究推進の提言」が作成された.2014年に将来構想委員会が設立され,これらの事業が継続.今回将来構想委員会で,2020年から2021年の最新の提言が作成された.この各論Iでは,遺伝子研究,トランスレーショナルリサーチ,核酸医薬,iPS研究,介護・福祉など,多様性を増す脳神経内科領域の臨床と研究について,最新トピックスを交えて取り上げる.*提言作成メンバー水澤 英洋,阿部 康二,宇川 義一,梶 龍兒,亀井 聡,神田 隆,吉良 潤一,楠 進,鈴木 則宏,祖父江 元,髙橋 良輔,辻 省次,中島 健二,西澤 正豊,服部 信孝,福山 秀直,峰松 一夫,村山 繁雄,望月 秀樹,山田 正仁(当時所属:国立精神・神経医療研究センター 理事長,岡山大学大学院脳神経内科学講座 教授,福島県立医科大学医学部神経再生医療学講座 教授,徳島大学大学院臨床神経科学分野 教授,日本大学医学部内科学系神経内科学分野 教授,山口大学大学院神経内科学講座 教授,九州大学大学院脳神経病研究施設神経内科 教授,近畿大学医学部神経内科 教授,湘南慶育病院 病院長,名古屋大学大学院 特任教授,京都大学大学院臨床神経学 教授,国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科 教授,東京大学医学部附属病院分子神経学特任教授,国立病院機構松江医療センター 病院長,新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野,新潟大学脳研究所フェロー,同統合脳機能研究センター産学連携コーディネーター(特任教員),順天堂大学医学部神経学講座 教授,京都大学大学院高次脳機能総合研究センター 教授,国立循環器病研究センター病院長,東京都健康長寿医療センター研究所 高齢者ブレインバンク,大阪大学大学院神経内科学 教授,金沢大学大学院脳老化・神経病態学 教授)
著者
中嶋 秀治 永田 昌明 浅野 久子 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.480-488, 2005-03-01
被引用文献数
1

音声合成において合成音を作るためには, 未登録語であってもそのアクセント型(アクセントの位置の情報)が必要となる.本論文では, Support Vector Machine (SVM)を使って単語の読みから未登録語のアクセント型を推定する三つの方法を提案し, 性能を比較する.第1の方法では, 未登録語の読みを構成する各モーラのトーンの高低をSVMを使って推定し, 得られたトーン変化の中で高いトーンから低いトーンへ下降する場所を探して, アクセント型を判定する.第2の方法では, 単語の長さごとに用意されたSVMを使って, 同じアクセント型をもつ単語の集合に未登録語を分類することによってアクセント型を判定する.第3の方法は, 第2の方法の変形版で, 第2の方法とは異なる方法で単語の読みとアクセント型を表現する.また, 単語の長さによらない単一のSVMを使う.未登録の日本人の姓名を対象にしたアクセント型の推定実験を行ったところ, 第2と第3の手法において決定木の精度を上回り, 最高精度で姓では86.1%, 名では96.0%という結果が得られた.また, 実際のWebのニュース記事に現れた未登録語を対象にした実験でも決定木を上回り, 姓では91%, 名では86%という高い精度が得られ, 本手法の有効性が確認された.
著者
望月 秀樹 青木 正志 池中 建介 井上 治久 岩坪 威 宇川 義一 岡澤 均 小野 賢二郎 小野寺 理 北川 一夫 齊藤 祐子 下畑 享良 髙橋 良輔 戸田 達史 中原 仁 松本 理器 水澤 英洋 三井 純 村山 繁雄 勝野 雅央 日本神経学会将来構想委員会 青木 吉嗣 石浦 浩之 和泉 唯信 小池 春樹 島田 斉 髙橋 祐二 徳田 隆彦 中嶋 秀人 波田野 琢 三澤 園子 渡辺 宏久
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001696, (Released:2022-05-28)

日本神経学会では,脳神経内科領域の研究・教育・診療,特に研究の方向性や学会としてのあるべき姿について審議し,水澤代表理事が中心となり国などに対して提言を行うために作成委員*が選ばれ,2013年に「脳神経疾患克服に向けた研究推進の提言」が作成された.2014年に将来構想委員会が設立され,これらの事業が継続.今回将来構想委員会で,2020年から2021年の最新の提言が作成された.この各論IIでは,疾患ごとに脳神経内科領域を分類し,各分野の専門家がわかりやすく解説するとともに,最近のトピックスについて冒頭に取り上げた.*提言作成メンバー水澤 英洋,阿部 康二,宇川 義一,梶 龍兒,亀井 聡,神田 隆,吉良 潤一,楠 進,鈴木 則宏,祖父江 元,髙橋 良輔,辻 省次,中島 健二,西澤 正豊,服部 信孝,福山 秀直,峰松 一夫,村山 繁雄,望月 秀樹,山田 正仁(当時所属:国立精神・神経医療研究センター 理事長,岡山大学大学院脳神経内科学講座 教授,福島県立医科大学医学部神経再生医療学講座 教授,徳島大学大学院臨床神経科学分野 教授,日本大学医学部内科学系神経内科学分野 教授,山口大学大学院神経内科学講座 教授,九州大学大学院脳神経病研究施設神経内科 教授,近畿大学医学部神経内科 教授,湘南慶育病院 病院長,名古屋大学大学院 特任教授,京都大学大学院臨床神経学 教授,国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科 教授,東京大学医学部附属病院分子神経学特任教授,国立病院機構松江医療センター 病院長,新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野,新潟大学脳研究所フェロー,同統合脳機能研究センター産学連携コーディネーター(特任教員),順天堂大学医学部神経学講座 教授,京都大学大学院高次脳機能総合研究センター 教授,国立循環器病研究センター病院長,東京都健康長寿医療センター研究所 高齢者ブレインバンク,大阪大学大学院神経内科学 教授,金沢大学大学院脳老化・神経病態学 教授)
著者
望月 秀樹 青木 正志 池中 建介 井上 治久 岩坪 威 宇川 義一 岡澤 均 小野 賢二郎 小野寺 理 北川 一夫 齊藤 祐子 下畑 享良 髙橋 良輔 戸田 達史 中原 仁 松本 理器 水澤 英洋 三井 純 村山 繁雄 勝野 雅央 日本神経学会将来構想委員会 青木 吉嗣 石浦 浩之 和泉 唯信 小池 春樹 島田 斉 髙橋 祐二 徳田 隆彦 中嶋 秀人 波田野 琢 三澤 園子 渡辺 宏久
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.709-721, 2021 (Released:2021-11-24)

日本神経学会では,脳神経内科領域の研究・教育・診療,特に研究の方向性や学会としてのあるべき姿について審議し,水澤代表理事が中心となり国などに対して提言を行うために作成委員*が選ばれ,2013年に「脳神経疾患克服に向けた研究推進の提言」が作成された.2014年に将来構想委員会が設立され,これらの事業が継続.今回将来構想委員会で,2020年から2021年の最新の提言が作成された.本稿で,総論部分1)脳神経疾患とは,2)脳神経疾患克服研究の現状,3)脳神経疾患克服研究の意義・必要性,4)神経疾患克服に向けた研究推進体制,5)脳・神経・筋疾患克服へのロードマップ,6)提言の要約版を報告する.*提言作成メンバー水澤 英洋,阿部 康二,宇川 義一,梶 龍兒,亀井 聡,神田 隆,吉良 潤一,楠進,鈴木 則宏,祖父江 元,髙橋 良輔,辻 省次,中島 健二,西澤 正豊,服部 信孝,福山 秀直,峰松 一夫,村山 繁雄,望月 秀樹,山田 正仁(当時所属:国立精神・神経医療研究センター 理事長,岡山大学大学院脳神経内科学講座 教授,福島県立医科大学医学部神経再生医療学講座 教授,徳島大学大学院臨床神経科学分野 教授,日本大学医学部内科学系神経内科学分野 教授,山口大学大学院神経内科学講座 教授,九州大学大学院脳神経病研究施設神経内科 教授,近畿大学医学部神経内科 教授,湘南慶育病院 病院長,名古屋大学大学院 特任教授,京都大学大学院臨床神経学 教授,国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科 教授,東京大学医学部附属病院分子神経学特任教授,国立病院機構松江医療センター 病院長,新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野,新潟大学脳研究所フェロー,同統合脳機能研究センター産学連携コーディネーター(特任教員),順天堂大学医学部神経学講座 教授,京都大学大学院高次脳機能総合研究センター 教授,国立循環器病研究センター病院長,東京都健康長寿医療センター研究所 高齢者ブレインバンク,大阪大学大学院神経内科学 教授,金沢大学大学院脳老化・神経病態学 教授)
著者
中嶋 秀人
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.64, 2022 (Released:2022-05-12)
参考文献数
20

【要旨】抗 N-methyl-d-aspartate 型グルタミン酸(NMDA)受容体抗体を含む神経細胞表面抗体が関与する自己免疫性脳炎の臨床スペクトラムが解明されるにつれ、自己免疫性脳炎の診断機会が著しく増加している。一般的に自己免疫性脳炎は免疫療法に良好な反応性を示すため、早期の抗体診断にもとづく免疫療法の導入が推奨され、自己免疫性脳炎の診断アルゴリズムも提唱されている。自己免疫性脳炎の診断として、抗 NMDA 受容体抗体など個々の神経細胞表面抗体の同定には cell-based assay(CBA)が有用であるが、自己免疫性脳炎の幅広い臨床スペクトラムにおいては既知の CBA が陰性のことも少なくないため、CBA の相補的検査であるラット脳凍結切片を用いた免疫染色である tissue-based assay(TBA)と初代海馬培養細胞による抗体診断を併用した神経抗体スクリーニングを含む診断アルゴリズムの構築が求められる。実際の臨床の現場においては、TBA を含む抗体スクリーニングで陽性を確認したのち CBA の結果を待たずすみやかに免疫療法を導入する治療アルゴリズムが適用できる可能性がある。近年、スペインにおける単純ヘルペス脳炎コホートを対象とした前向き追跡調査では、単純ヘルペス脳炎後 27%に自己免疫性脳炎が続発し、全例で神経細胞表面抗体が陽性であることが確認されている。単純ヘルペス脳炎を含めた神経感染症と自己免疫性脳炎の双方をあわせて理解したうえで、自己免疫性脳炎の新しい診療アルゴリズムについて考察する。
著者
中嶋 秀 手嶋 紀雄 東海林 敦
出版者
東京都立大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

本研究では,研究代表者がこれまでに開発してきた持ち運び可能な小型の表面プラズモン共鳴(SPR)センサーと研究分担者が見出したエクソソームと人工生体膜の膜融合現象を利用して,呼気中に含まれるエクソソームの膜タンパク質を高感度かつ網羅的に計測することが可能な新規分析法を開発する。また,マスフローコントローラーを備えた呼気凝縮液サンプラーと内在物質を用いた呼気凝縮液の希釈度補正法を開発する。
著者
中嶋 秀人
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.265-267, 2020 (Released:2021-02-05)
参考文献数
15

Encephalitis is associated with high morbidity and mortality, and the neurologic manifestations of this condition include fever, headache, altered mental status, convulsions, and psychiatric symptoms. Early diagnosis of encephalitis is crucial to ensure that the right treatment is given on time. Herpes simplex virus was the most common infectious cause among acute encephalitis, followed by varicella zoster virus. Thus, more than a quarter of patients were potentially treatable with aciclovir. Recent repots have showed the increasing recognition of autoimmune encephalitis, and anti–NMDAR encephalitis was the most common autoimmune condition. In this article, the author describes the characteristic clinical findings, magnetic resonance imaging and spinal fluid analysis of herpes simplex encephalitis, varicella zoster encephalitis, and anti–NMDA receptor encephalitis. Early identification of these patients may allow timely initiation of aciclovir and/or immunomodulatory therapy, and help improve clinical outcomes.
著者
宮下 賢 田中 諒 長谷川 丈二 中西 和樹 森岡 和大 曾 湖烈 加藤 俊吾 内山 一美 齊藤 和憲 渋川 雅美 中嶋 秀
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.469-478, 2018-08-05 (Released:2018-09-08)
参考文献数
29

相分離を伴うゾルゲル法を用いてマクロ多孔性のレゾルシノール─ホルムアルデヒドゲルを合成し,これを不活性雰囲気下で焼成してグラファイト化することによりカーボンモノリスを作製した.作製したカーボンモノリスを用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムを試作し,金属-EDTA錯体の保持特性を検討したところ,カーボンモノリスカラムは多孔質グラファイトカーボン(PGC)カラムと同様に酸化還元能を有しており,Co(II)-EDTA錯体をCo(III)-EDTA錯体に酸化することが明らかになった.また,カーボンモノリスカラムを還元剤で処理すると,その酸化還元能が変化することも明らかになった.そこで,HPLCの分離選択性の向上を目的として,カーボンモノリスカラムを酸化還元ユニットとして2本のODSカラムの間に設置したオンライン酸化還元化学種変換HPLCシステムを構築し,これを用いてCo錯体を他の金属錯体から選択的に分離できることを示した.さらに,本システムを用いて銅合金中に含まれる微量コバルトを分離定量できることを実証した.
著者
小久保 安朗 大木 央 杉田 大輔 中嶋 秀明
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.405-412, 2016-04-25

はじめに 仙骨骨折は,交通外傷や高所からの転落などによる高エネルギー外傷により発生し,骨盤輪骨折の23%に伴うと報告されている12).著者らの施設において,完全不安定型骨盤輪骨折の27%に仙骨骨折を伴っていたが,仙骨横骨折は全骨盤輪骨折224例中5例(2%)とまれであった20).不安定型骨盤輪骨折は高エネルギー外傷により発生するのに対し,仙骨横骨折は転倒などの比較的小さい外力でも発生することがある.また,最近は非常に軽微な外力で発生する骨脆弱性骨盤骨折が注目されており高頻度に仙骨骨折を伴うが,高エネルギー外傷で発生する仙骨骨折とは骨折の機序が大きく異なるため,同一の骨折として論ずることはできない.一方,仙骨骨折の約半数に神経損傷を伴うとの報告4)も存在する.本稿では,高エネルギー外傷に伴う仙骨・尾骨骨折の診断と治療について論述する.
著者
中嶋 秀人
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.495-499, 2018 (Released:2018-04-05)
参考文献数
22

Recent advances in the treatment of neurological infections are described based on reports published in 2016.According to the European cohort study of community–acquired bacterial meningitis, the incidence of adult bacterial meningitis has decreased substantially, which is partly explained by herd protection by pediatric conjugate vaccines. Also, adjunctive dexamethasone treatment was associated with substantially improved outcome. Streptococcus pneumonia is the most common pathogen in adult. Patients with active cancer, however, present with lower CSF leukocyte counts, are more likely to be infected with Listeria monocytogenes, and are at high risk of unfavorable outcome.The plasma–cell–depleting proteasome inhibitor bortezomib could be useful for severe and therapy–refractory cases of anti–NMDAR encephalitis. Bortezomib treatment showed clinical improvement or disease remission in 5 severely affected patients with anti–NMDAR encephalitis with resistance to standard immunosuppressive therapy (corticosteroids, IVIG, plasma exchange, immunoadsorption, rituximab, cyclophosphamide). Autoimmune encephalitis including anti–NMDAR encephalitis often poses a therapeutic challenge. The Korea study reported the efficacy and safety of rituximab treatment as a second–line immunotherapy treatment for autoimmune limbic encephalitis. Functional improvement occurred more frequently in the rituximab group compared to the control group, regardless of autoantibody status. In a prospective observational case control study, treatment effects of plasma exchange and immunoadsorption were evaluated in 21 patients with autoimmune encephalitis associated with NMDAR, LGI1, CASPR2, GAD, mGluR5 and Hu antibodies. Apheresis is well tolerated and effective also as first–line therapy in autoimmune encephalitis, particularly in patients with antibodies targeting neuronal surfaces.Cochrane Database Systemic Review reported the effect of adjuvant corticosteroid therapy in tuberculous meningitis. There is high quality evidence of the benefit of corticosteroids in preventing death in people with tuberculous meningitis. For HIV–positive people with TB meningitis, there is uncertainty about whether or not corticosteroids are beneficial due to the lack of direct evidence in this group. However, corticosteroids may not be associated with increased risk of adverse events. On the other hand, adjuvant corticosteroid therapy did not reduce mortality among patients with HIV–associated cryptococcal meningitis and was associated with more adverse events and disability than was placebo.
著者
中嶋 秀人
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.150-154, 2016 (Released:2016-08-10)
参考文献数
14

Meningitis and encephalitis are severe neurological infections that, if treated late and ineffectively, lead to poor neurological outcome or death. Since treatment is more efficient if given early, these conditions of meningitis and encephalitis should represent as a life–threatening neurological emergency. The management of patients with suspected meningitis or encephalitis begins with empiric treatments until the causal agent of infection is determined. However, the etiologic organism cannot always be distinguished. The goal is to identify those that are treatable, provide supportive care for those that are not, and, when possible, prevent the neurologic complications of these infections. In this article, the author will present some representative cases to describe the characteristic magnetic resonance imaging and spinal fluid analysis of bacterial meningitis, tuberculous meningitis, cryptococcal meningitis, herpes simplex encephalitis, and anti–NMDA receptor encephalitis, and discusses the choice of empirical treatments until the cause of infection is determined. Also the differential diagnosis of meningitis and encephalitis is reviewed, with an emphasis on infectious etiologies.
著者
中嶋 秀治 山本 博史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.2681-2688, 2001-11-15
参考文献数
15
被引用文献数
2

自然な話し言葉での対話においては,1回の発話(または発声)で複数の文が話されることがしばしば起こる.音声認識では,1回の発話を単位として処理が行われるが,複数の文を含んだ発話をそのまま1つの単位にして理解や翻訳や要約などの言語処理を行うことは困難であり,音声認識の後か言語処理の前に発話を文などへ分割することが必要となる.このため,本稿では通常の単語と同様に文境界としての句点を音声認識することによって複数の文が含まれる発話を各文に分割する手法を提案する.評価実験の結果,発話から文への分割性能の点では,最高で再現率94%適合率100%という性能が得られた.また,言語モデルに句点を含むか否かの違いによる句点以外の単語認識率の劣化はないという結果が得られ,本手法の有効性が確認された.In spontaneous dialogs, there are utterances containing several sentences.Although speech recognizers process utterances one by one,language processing such as understanding, translation or summarizationneeds to split utterances into sentences.This paper presents utterance splitting by recognizingperiods, i.e., sentence boundaries, as well as usual words.We evaluate the performance of the model in terms of splitting and word (except for periods) accuracy. Experimental results show high recall/precision rates of splitting (the highest scores are 94%/100%) and no reduction of other word accuracy, proving the applicability of the proposed method.
著者
谷 裕基 中嶋 秀人 山根 一志 大西 宏之 木村 文治 花房 俊昭
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.581-584, 2014-07-01 (Released:2014-08-02)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は66歳の女性である.約1ヵ月の経過で小脳性運動失調と意識障害が増悪し,頭部MRI FLAIR強調画像で脳幹の腫大,および中脳,橋,小脳脚,右小脳半球,右後頭葉に高信号をみとめた.造影MRIでは橋に造影効果を有する多発性の点状病変をみとめ,右後頭葉にも造影病変をみとめた.ステロイド薬により臨床症状と画像所見は急速に改善したが減量後に再燃した.右後頭葉の生検で血管周囲にT細胞を主とする炎症性細胞浸潤をみとめchronic lymphocytic inflammation with pontine perivascular enhancement responsive to steroids(CLIPPERS)と診断した.ステロイド薬増量と維持によりこれらの病変は消失し寛解した.MRIで高度脳幹浮腫を呈する疾患としてCLIPPERSを考慮する必要がある.
著者
福元 尚子 白石 裕一 中道 一生 中嶋 秀樹 西條 政幸 辻野 彰
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000776, (Released:2016-01-21)
参考文献数
30
被引用文献数
4

症例は65歳男性である.急速進行性の認知機能低下で発症した.頭部MRIのFLAIR/T2強調画像で大脳皮質下に広汎な高信号域を認め,髄液よりJohn Cunningham virus-DNAを検出した.最終的に脳組織所見から進行性多巣性白質脳症と確定診断した.合併症として高安動脈炎と慢性型/くすぶり型成人T細胞白血病が認められた.発症早期にメフロキンとミルタザピンによる治療を開始したが,症状・画像共に改善なく約半年後に死亡した.本例において治療効果が認められなかった理由としては,HTLV-I感染に加えて高安動脈炎によるB細胞系の異常が影響した可能性を考えた.
著者
辺見 努 松井 邦浩 小泉 徳潔 中嶋 秀夫 飯島 亜美 酒井 正弘
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.172-177, 2012-03-25 (Released:2012-07-04)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

The manufacturing process for ITER toroidal field (TF) coils must be demonstrated as effective in order to meet the criteria for qualification. Since impregnation of the insulation system is one criterion for qualification in this study, we performed impregnation tests using a cyanate-ester/epoxy blended resin, chosen for its excellent resistance to radiation. To establish the insulation and impregnation procedure in the TF coil manufacturing process, three types of trials were performed: 1) impregnation tests using an acrylic model to fix the impregnation conditions; 2) an impregnation test using a metallic model to confirm that no void remains in the insulation layer after curing in the D-shaped configuration; and 3) insulation and impregnation trials using a 1/3-scale double-pancake (DP) model. The results of these trials were used to determine the insulation and impregnation procedures for manufacturing ITER TF coils.
著者
中嶋 秀治 水野 秀之 吉岡 理 高橋 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.365, pp.173-178, 2011-12-12

表現豊かな音声において多様性を示す句末音調ラベルをテキストから予測する方法について述べる.本方法では,これまでの読み上げ口調の音声合成の言語解析の出力結果である単語の情報と,アクセント句およびイントネーション句の境界情報を用いる.そして,表現豊かな音声が発せられる場面,および,話者に依存したモデルを構築する.商品宣伝,電話応対の各場面のデータを用いて,句末音調ラベル予測評価実験を行なったところ,数個の特徴量を用いる提案法が,多量の特徴量に基づく従来法に比べて同等以上の一致率(Cohen's kappa)を得ることを確認した.
著者
井口 将秀 千田 豊 中嶋 秀夫 小川 剛史 片山 義紀 小方 大成 峯村 敏幸 宮部 圭介 渡海 大輔 新見 健一郎
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.193-199, 2012-03-25 (Released:2012-07-04)
参考文献数
11
被引用文献数
5 2

The Japan Atomic Energy Agency (JAEA) has conducted activities in Japan since March 2009 in order to establish the manufacturing procedure for the ITER toroidal field (TF) coil structures. A TF coil structure consists of a TF coil case and components. The activities include ensuring that the structural materials and welding procedure comply with the Japan Society of Mechanical Engineers (JSME) code for fusion devices, and demonstrating the manufacturing method and procedures using full-scale segments of the TF coil structure. From the results of these activities, the JAEA confirmed that the quality control method of actual series TF coil structures complies with the JSME code. Therefore, the quality of structural materials and weld joints using gas tungsten arc welding (GTAW) satisfy the ITER requirements. In addition, the JAEA obtained knowledge regarding the welding deformation of the actual TF coil structures. This paper describes the results of these compliance and development activities for ITER TF coil structures.
著者
進藤 裕英 小堀 智之 堀口 勝三 山田 英一 中嶋 秀夫 辻 博史
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.793-798, 1995 (Released:2008-04-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2

This paper discusses fracture toughness and temperature rise for JJ1 austenitic stainless steel forged plate at liquid helium temperature for fusion reactor magnets of next generation. Elastic-plastic fracture toughness (JIC) testing was conducted in general accordance with ASTM standards E813-81 and E813-87, and unloading-compliance technique was applied using compact specimens 25.0 mm and 12.5 mm thick. Thermocouples were used to measure the temperature rise near the crack tip. The effects of specimen size and side-groove on the cryogenic fracture properties of this alloy are examined. Examination of the fracture surface of CT specimens by scanning electron microscopy showed ductile failure by microvoid coalescence. The effect of inclusion on fracture mechanics parameters (JQ, JIC) is also discussed using energy dispersive X-ray analyser.
著者
中嶋 秀朗 中野 栄二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.72, no.721, pp.2926-2931, 2006-09-25
参考文献数
5
被引用文献数
5

A leg-wheel robot has mechanically separated four legs and two wheels, and it performs high mobility and stability on rough terrains. In this paper, the strategy for the leg-wheel robot moving over large rough terrains is described. First, topographical features are classified for the large rough terrain movement. They are classified into 13 patterns by the combination of terrain surfaces. In order to move over all classified terrains, three gaits are proposed as adaptive gait for large rough terrain. Those three gaits are as follows: 1. Gait for an upward step: the forefoot landing point is higher than contact points with the ground of wheels, and the robot raises the body toward the forefoot landing point. 2. Gait for a downward step: the forefoot landing point is lower than contact points with the ground of wheels, and the robot lowers the body toward the forefoot landing point. 3. Gait for getting over an obstacle: the forefoot landing point is not higher than contact points with the ground of wheels, but the robot raises the body as high as possible.