- 著者
-
國吉 保孝
加村 梓
安田 すみ江
田代 実
- 出版者
- 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
- 雑誌
- 日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.2, pp.116-120, 2015 (Released:2015-06-25)
- 参考文献数
- 14
目的 : アナフィラキシーを呈した即時型食物アレルギーの小児例について, 年齢・原因食物別の内訳と臨床像を把握する.方法 : 2008年1月~2013年12月までの6年間に, 当院救急外来を受診した15歳以下のアナフィラキシーを呈した即時型食物アレルギー49例について, 診療録より後方視的に検討した.結果 : 原因食物の内訳は, 魚卵 (9例) , 鶏卵 (8例) , ソバ (8例) が三大原因であった. このうち, 0歳は鶏卵58% (7/12) , 1~6歳は魚卵31% (5/16) , 7歳以上はソバ38% (8/21) がそれぞれ最多であった. アドレナリン筋肉内投与が実施されたのが12例で, 内訳はソバ4例, 鶏卵3例で, 魚卵は1例のみであった.結論 : アナフィラキシーを呈した即時型食物アレルギーの小児例の原因食物は, 年代によって傾向が異なり, 年齢を考慮した啓蒙が必要と考えられた. 他の報告と比較して魚卵の頻度が高く, 地域の食習慣による影響が示唆された.