著者
林 兼六 小田島 守 伊沢 健
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.353-357, 1979-01-31
被引用文献数
2

牛の2品種(黒毛和種=B種およびホルスタイン種=H種)の発育性を比較するために,野草地および牧草地において放牧試験を行った。連続2ヵ年(1972,1973)の各放牧シーズンとも,野・牧草地のそれぞれに約20カ月令の去勢牛12頭(各品種6頭ずつ)を全放牧して増体について調査した。また2年目の春と秋に野草地放牧牛の放牧行動を観察し,酸化クローム・クロモーゲン法による食草量の推定を行った。得られた結果は次のようであった。1)野草地および牧草地における日増体は,それぞれB種では0.30kg(1年目),0.48kg(2年目)および0.47kg,0.51kg,H種では0.52kg,0.56kgおよび0.92kg,0.70kgであった。これをみると,両草地ともB種よりH種の増体が,また両品種とも野草地より牧草地における増体が優れていたが,両草地における増体の差はB種に比べてH種のほうが遙かに多かった。したがって,相対的にはH種よりもB種が野草地をより良く利用したといってよかろう。2)2品種の野草地放牧牛は,一団を形成して行動することが多かったが,朝夕2回の食草のピーク時には,品種ごとの2集団に分れる傾向があった。また急斜面での食草のばあいB種がH種より先行した。3)春の推定食草量(乾物/頭・日)は7.4〜7.5kgで納得のゆくものであったが,秋のそれは4.4〜4.8kgと非常に少なかった。秋におけるこの異常に低い数値は,草中のクロモーゲンが牛の消化器官通過の間に著しく変成もしくは吸収されたことによるものと推察された。この結果から,消化率推定のための指標物質としてクロモニゲンを利用することには,極めて問題があると思われた。
著者
田島 守彦 実近 憲昭 岡田 義邦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.7, pp.825-830, 1989-07-15

KPV法とは 筆者らが発表済みの知識指向型ゲームプログラムで開発・採用した候補手の評価手法である.本論文では KPV法を評価手段とするゲームプログラムにおける手の評価において 前打着時の評価が再利用できる方法を示す.KPV法を概説した後 評価必要性判定用知識を用いて不要な候補手評価をカットするNVカットと称する手法を述べ かなりの割合の候補手がカットできることをオセロゲームの例で示す.相手の思考時間を利用すればさらにカットできる候補手の割合は大きくなる.最後に 誤差が生じる問題の考慮 およびNVカットの基礎について議論する.