著者
仲谷 美沙子 田島 浩子 川西 智子 高橋 慎治 内田 季之 鈴木 一有 古田 直美 伊東 宏晃 徳永 直樹 金山 尚裕
出版者
静岡産科婦人科学会
雑誌
静岡産科婦人科学会雑誌 (ISSN:21871914)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.50-57, 2014

胎児と胞状奇胎が認められる病態には、胎児が存在する部分胞状奇胎の場合と、正常胎児・全奇胎の双胎の場合がある。今回、我々は胎児が共存する部分胞状奇胎と診断された3例を経験した。3症例とも妊娠初期に稽留流産となり、子宮内容除去術が施行された。そのうち2症例では、施術前に胎盤の超音波断層法像に異常を指摘されておらず、子宮内容除去術後に診断された。胞状奇胎の超音波像は多彩であり、必ずしも典型的な嚢胞状所見を示さないこともある。胎芽(児)を超音波で描出する稽留流産の場合、稀ではあるが胎児共存奇胎の可能性を念頭に置き、慎重に超音波検査を行い、胎盤・絨毛組織の病理検査を怠らないことが重要であると考えられた。
著者
名和田 義高 濱田 晃市 田島 浩子 西野 徳之 中澤 敏弘 十林 賢児 斎藤 聡
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.109, no.8, pp.1394-1400, 2012

症例は84歳女性.1998年よりC型肝硬変でフォローしていた.2008年に心房細動・脳梗塞を発症しワルファリンカリウムの投与を開始したが,2011年2月に食道静脈瘤破裂で入院した際に,門脈血栓を認めた.ダナパロイドナトリウムを14日間投与し門脈血栓は消失した.ワルファリンカリウム投与中に門脈血栓症が新たに出現し,さらにこの血栓がダナパロイドナトリウムで消失した点より貴重な症例と考え,報告した.<br>