著者
碓井 健寛 田崎 智宏
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.191-200, 2016-07-29 (Released:2016-12-23)
参考文献数
24

容器包装の削減(リデュース)の取組はどのように評価されているのだろうか。事業者のリデュースの対策について統計分析が包括的に行われてきたことはなかった。そこで本研究は,小売業者が独自に行っている容器包装削減の取組がどれだけ有効であるのか確かめるために,小売業者の容器包装使用量に関してパネルデータ分析を行った。具体的にはコンビニエンスストアとスーパーマーケットの5 年間の事業者別の容器包装使用量データを用いて,減量化対策の効果を検証した。その結果「有償化」だけが有意な減量効果を持つことがわかった。しかしそれ以外の取組は有意な減量効果があるとは認められなかった。
著者
森 朋子 三ヶ尻 智晴 田崎 智宏
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.13-24, 2020 (Released:2020-02-29)
参考文献数
31
被引用文献数
1

本研究では,近年,普及が進んでいるインターネットを通じたリユース (以下,ネット型リユースという) に着目し,その利用経験が不用衣服の排出行動に及ぼす影響を分析した。衣服の購入が多い 15 ~ 49 歳の女性を対象にウェブアンケートと統計分析を実施した結果,ネット型リユースの利用を経験すると,リユースショップのような従来型のリユースルートよりもネット型リユースの活用を好むようになることがわかった。また,ネット型リユースを現在利用していなくても,過去に利用した経験があれば,不用衣服をごみとして廃棄する行動は抑制され,リユースショップ等に出す行動が促進されることも明らかとなった。これらの結果より,ネット型リユースの利用経験が,リユースの具体的な方法を学んだり,不用衣服のリユース品としてのポテンシャルを認識したりすることに役立っていることが示唆された。
著者
吉田 綾 田崎 智宏 寺園 淳
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.29, 2007

使用済みパソコンについて、日本における家庭用パソコンのリサイクル制度の施行前と施行後のマテリアルフローを、マテリアルフローデータにおける誤差を最小化することによって推定した。また、日本でリユース(再使用)されるパソコンと中古品として輸出されるパソコンの台数についても推定した。推計結果から、デスクトップパソコンに比べてノートパソコンの方が国内でリユースされやすいこと、2001年から2004年にかけて増加した排出台数2590千台はほとんど国内廃棄物処理ではなくリユースされており、リユース分も多くが輸出されていることが明らかになった。家庭やリース・レンタル会社から古物商へ引き取られる量が増えており、それが輸出台数増加につながっていると考えられた。