著者
田所 摂寿
出版者
作新学院大学
雑誌
作大論集 (ISSN:21857415)
巻号頁・発行日
no.7, pp.67-82, 2017-03

要約 本論文では、"カウンセリングコンピテンス"という概念を中心として、カウンセラー教育プログラムについて検討を行った。カウンセラー教育において重要な概念となる「科学者−実践家モデル」や、心理臨床実践におけるエビデンスの扱い方についても概説した。本論文のキー概念であるカウンセリングコンプテンスの要因としては、①知識(knowledges)、②素質と経験(senses and experiences)、③人間観(哲学)と態度(veiwof human nature and attitudes)、④スキル(skills)、⑤臨床実践量(practices)の5つを取り上げ、それぞれの要因について詳細な説明を試みた。併せて、これらの要因を「カウンセリングの質」を測るための計算式に表現することも試みた。今後の課題としてはカウンセリングコンピテンスを測定する尺度を作成し、実証していくことが挙げられた。
著者
田所 摂寿
出版者
作新学院大学
雑誌
作大論集 = Sakushin Gakuin University Bulletin (ISSN:21857415)
巻号頁・発行日
no.7, pp.67-82, 2017-03-15

要約 本論文では、“カウンセリングコンピテンス”という概念を中心として、カウンセラー教育プログラムについて検討を行った。カウンセラー教育において重要な概念となる「科学者−実践家モデル」や、心理臨床実践におけるエビデンスの扱い方についても概説した。本論文のキー概念であるカウンセリングコンプテンスの要因としては、①知識(knowledges)、②素質と経験(senses and experiences)、③人間観(哲学)と態度(veiwof human nature and attitudes)、④スキル(skills)、⑤臨床実践量(practices)の5つを取り上げ、それぞれの要因について詳細な説明を試みた。併せて、これらの要因を「カウンセリングの質」を測るための計算式に表現することも試みた。今後の課題としてはカウンセリングコンピテンスを測定する尺度を作成し、実証していくことが挙げられた。
著者
田所 摂寿
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.51-62, 2018-06-30 (Released:2019-10-01)
参考文献数
72

本論文では,初学者に対するカウンセラー教育内容について欧米諸国の研究を概観し,日本における実証的研究(evidence-based research)に向けて考察することを目的とした。カウンセラー教育の研究として,①専門教育の準備,②トレーニング手法,③トレーニングの内容とその成果の3つに分類し,それぞれの研究知見をまとめた。「専門教育の準備」としては,大学生へのカウンセラー教育の意義と内容およびゲートキーピングについての検討を行った。「トレーニング手法」としては,①ロールプレイ,②グループ体験,③個人カウンセリング,④臨床実習とスーパービジョンのそれぞれの効果について先行研究を比較検討した。「トレーニングの内容とその成果」については,従来のカウンセリングスキル基礎訓練を取り上げた。また,トレーニングを受けることによる変化として,人間的成長および専門家としての成長,自己の変化,認知の変化を取り上げた。 これらのカウンセラー教育の内容を日本において活用していく方法について考察を行った。
著者
田所 摂寿
出版者
作新学院大学
雑誌
作大論集 = Sakushin Gakuin University Bulletin (ISSN:21857415)
巻号頁・発行日
no.8, pp.49-63, 2018-03-15

本論文の目的は「カウンセラー」という専門職のアイデンティティについて、歴史や定義を振り返ることによって再検討し、明確に構築することを試みたものである。本論文では、日米の歴史の変遷を概観し、それぞれの団体や論文が提示するカウンセリングの定義についてまとめた。その上で、日本におけるカウンセリング実践者およびカウンセラー教育者として、最重要であると考える6つの課題をまとめた。①カウンセラーのアイデンティティを明確に確立し、カウンセリングの定義を公に示し、理解を広める努力をしなければならない。②カウンセリングのそれぞれの専門分野を尊重し、カウンセラーとして統一見解に至った発言をしなければならない。③カウンセラー教育プログラムは、実証的データに基づく専門知識と専門技術を提供しなければならない。④カウンセリング専門団体は、最前線の実践家を団体の意思決定に組み入れ、研究と実践が乖離しないように努力しなければならない。⑤カウンセラーは、研究者-実践家モデルに忠実であり、個々人の状況に応じた形で研究に関わるように努めなければならない。⑥カウンセラーは、エビデンスに基づき倫理的な実践を行わなければならない。
著者
田所 摂寿
出版者
作新学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

公認心理師法が制定された現在、カウンセラー養成において理論や知識の教育だけでなく、臨床実践におけるカウンセリングコンピテンス(態度・姿勢、技術、能力)の教育が喫緊の課題となっている。本研究の重要なテーマは,ゲートキーピングでである。これは,カウンセリング学習者の資質と能力を評価し,必要な改善策を提供するシステムである。 日本においてゲートキーピングシステムを導入するために、カウンセリングコンピテンシーの概念を明確にし、カウンセラーのアイデンティティを再定義し、カウンセラーの教育内容を検討を行った。 これらの調査に基づき、最終的に日本におけるゲートキーピングに関する調査を実施した。