著者
日木 くるみ 田村 知子
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.57-76, 2007-09

本稿の目的は、「人に物を渡すとき」に使用できる4表現(Here you are / Here you go / There you are / There you go)の機能を明らかにすることである。 4表現の機能は、here / there で表される「促し(start)/ 達成(goal)」対立と、are / go で表される「状態(state)/ 行為(action)」対立の組み合わせによって、規則的に生み出される。 その結果、4表現はそれぞれ以下のような機能を持つ。Here you are 「you が"ready"な状態になるように、話者が you を促す」Here you go 「you が次の行為をするように、話者が you を促す」There you are 「you が話者の期待する状態に達したことを、話者が表明する」There you go 「you が話者の期待する行為を遂げたことを、話者が表明する」 この考え方に基づけば、映画から集めた実例を説明できるだけでなく、なぜ4表現がいずれも「人に物を渡すとき」に使用できるのか、などの疑問に対しても説明を与えることができる。 本稿では、4表現の機能に関する考察を通じて、イディオムと呼ばれるものの中にも、個々の語彙の意味を組み合わせて説明できる表現があり得ることを示唆した。
著者
田村 知子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.Suppl, pp.137-140, 2006-03-20 (Released:2016-08-02)
参考文献数
23
被引用文献数
1

カリキュラムマネジメントについて定義し,その構造のモデルを開発した.その前提として,まず先行研究における論点を整理して,教育課程経営とカリキュラムマネジメントの異同を明らかにした.さらに,教育課程経営の機能化を阻害してきた要因に着目して,従来の教育課程経営論には含まれなかった文化的要因(カリキュラム文化と組織文化)をカリキュラムマネジメントの構成要素として取り入れることの妥当性を指摘した.