- 著者
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田村 陽介
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.5, pp.1376-1387, 2004-05-15
- 被引用文献数
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MANET の基盤技術となっているパケットのフラッディングは到達可能なホストすべてにパケットを伝達することを保証する.到達性を重要視するルーティングプロトコルにおいてフラッディングは非常に有効であり,未知ホストの発見などの重要な役割を担っている.一方,フラッディングはアドレス割当てにおいても利用されている.しかしその多くは,フラッディングの到達可能なホストにしかパケットを伝達できないという特徴を受け継いでいるため,アドレス割当てにおいて最も重要である唯一性を保証する機構が十分ではない.本稿ではアドレス割当てにおいてフラッディングを利用することが唯一性を保証できないことを問題点とし,またネットワークの規模が大きくなるほど,パケット数が二乗に比例して増加しネットワーク資源だけでなく消費電力の観点でも非効率的であることを指摘する.本稿で提案するAmeba はアドレスをブロック単位で割り当てることにより,特定のサーバを持たずに分散的にアドレスを割り当てることが可能となる.またフラッディングを利用しないため,大規模ネットワークにおいてはフラッディングを利用した従来方式と比較してアドレス割当てに利用するパケット数を大幅に減少させることが可能となる.Most techniques for address allocation in MANET use random address selection by a mobile node. In order to ask whether or not the address is already used by other nodes, the node floods a packet into the network. However, packet flooding can not guarantees the reachability to all nodes, Thus, it can be possible to conflict the address to the node which temporary disconnect to the network. Moreover, packet-flooding wastes the network resource as the network becomes larger. In our proposal scheme, called Ameba, a mobile node is assigned an address block that contains valid address space. The node allocated the block becomes possible to assign the address to other nodes. As a result, Ameba can guarantee address uniqueness without packet flooding. By comparing Ameba to flooding-based schemes, the number of packets used in address assignment is extremely decreased in Ameba.