著者
神藤 正士 木下 治久 畑中 義式
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

表面波プラズマの励起機構に関係する現象が観測された。以下にその要点を列挙する。1.圧力が低下するとともに、軸方向密度分布は平坦になっていく。2.圧力が50mTorr以下になると、石英板から1-2cmの位置のイオン飽和電流の軸方向分布上に明確な凹みが観測された。圧力が低くなるとこの凹みは顕著になるが、100mTorr以上では目立たなくなる。プローブのバイアス電圧をプラズマ電位に対して負に深くして-80V以上にすると、この凹みは解消する。このことから、これはプラズマ密度の凹みではなく、電子が加熱されてエネルギーが増大したことから現れる現象であると考えられ、電子の加熱がこの付近で顕著に生じていることを示唆する。なお、凹みのある位置でのプラズマの密度は丁度遮断密度に近い10^<11>cm^<-3>程度であり、プラズマ共鳴の条件が満たされているものと思われる。3.石英板方向のみまたはその反対方向からのみプラズマ粒子を捕集できる構造をもったプローブを製作し、プローブ特性を測定した結果、石英板から離れる方向に流れる高エネルギーの電子流が見出された。4.石英板から数mm以内の位置に設置されたダイポールアンテナからの信号を周波数分析したところ、マイクロ波の周波数であるf_0=2.45GHzの他に、f_1=10MHzとf_2=f+f_1の2つのスペクトルが観測された。f_1はプラズマ密度とともに上昇すること、ならびに丁度イオンプラズマ振動数に一致することから、観測された現象は、電磁波、ラングミュア波およびイオン波からなるパラメトリック不安定性の特徴と一致していることが判った。
著者
ニラウラ マダン 中村 篤志 青木 徹 畑中 義式
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.19, pp.25-30, 2001-02-23
被引用文献数
4

ガンマ線計測とその画像応用の目的でCdTe単結晶を用いた核放射線検出器を作製し、その動作特性を報告する。この検出器はp-i-nダイオード構造をもち、n型CdTeは単結晶CdTe上にプラズマを利用したMOCVD法によりエピタキシャル成長法によって、沃素を不純物として添加し作製した。p型は金を電極とすることによりショットキー接合とした。この検出器でコバルト57の122keVのガンバ線に対して半値幅1.7keV(1.3%)の値を得た。また、画像検出のために、p型領域をエキシマレーザーによりストライプ状にドーピングするレーザードーピング法を開発した。これらの結果は、画像検出器に応用するのに良い指針を示した。
著者
青木 徹 中村 篤志 浅野 浩司 ニラウラ マダン 中西 洋一郎 畑中 義式
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.40, pp.1-6, 2002-06-18

M-π-n type Multi-pixel CdTe high-energy radiation detectors were fabricated by excimer laser processing technique combined excimer laser pattern doping with laser ablation method. The strip detectors showed high-energy resolution and uniform peak levels. The color high-energy radiation images colored by peak energy were obtained with high-energy resolution by 128pixel CdTe detector with ASIC chips.
著者
杉浦 健二 小南 裕子 中西 洋一郎 畑中 義式
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.621, pp.41-44, 2005-01-21
被引用文献数
3

SrS : Euは近紫外線領域にも励起帯を有し610nm付近に発光ピークを持つことが知られている。しかし、赤色としては十分でなく、より長波長の赤色が求められている。そこで母体をBaSとの混晶にした(Ba_xSr_<1-x>)S : Euを合成し、xの値を変化させることにより組成比を変化させた。Xeを分光した380nmで励起した発光スペクトル測定の結果、発光ピークを組成比の変化に伴い607-688nmまで長波長シフトさせることが可能であると確認できている。また硫黄雰囲気中3時間1100℃で焼成し合成した試料の中でもx=0.25での試料で色純度、輝度ともに最適であることが確認された。そこで、硫黄雰囲気中での焼成時に一部生成する硫酸塩化合物の存在の発光強度への関与を検討した。