- 著者
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山子 泰加
道堯 浩二郎
白石 明子
相引 利彦
奥平 知成
川村 智恵
中原 弘雅
須賀 義文
畔元 信明
平岡 淳
宮田 英樹
宮本 安尚
二宮 朋之
田中 光一
安中 哲也
楳田 祐三
八木 孝仁
- 出版者
- 一般社団法人 日本肝臓学会
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.12, pp.749-755, 2014-12-20 (Released:2015-01-07)
- 参考文献数
- 15
症例は20歳男性.全身倦怠感を主訴に近医を受診し,発熱,黄疸がみられたため精査加療のために当科へ紹介された.受診するまでの約3年間ひきこもり状態であり,家族と同居していたが,家人と接することが少なかったため家人は病状に気づかなかった.各種検査からWilson病による肝不全と診断し,保存的加療を行ったが軽快せず,生体肝移植を行った.移植後は経過良好で,現在外来通院中である.Wilson病は多彩な精神,神経症状を示しうる疾患であり,ひきこもりにて肝不全の発見が遅れたWilson病の1例を経験したため報告する.