著者
疋田 智 玉田 正樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.1-9, 2020 (Released:2020-08-20)
参考文献数
20

本研究の目的は,我が国喫緊の課題である南海トラフ巨大地震に伴う津波からの避難に,自転車,中でも電動アシスト自転車の有効性を検討することである.検証方法としてマルチエージェントシミュレーション(MAS)を用い宮崎県日南市の油津地区をモデルとした.MASの結果,自転車による避難は,電動アシストの有無によらず避難者自身が助かる可能性を高めること,渋滞が軽減されることによりクルマの避難完了率も向上する可能性があるという結果が得られた.また電動アシスト率が高いほど避難完了時間が短くなることが分かった.電動アシスト自転車のみならず通常の自転車も避難に有効であるという結果は,国や自治体の津波避難計画において,徒歩とクルマだけではなく自転車を想定することが有益である可能性を示唆している.
著者
中野 友裕 菅野 雅仁 佐藤 菊枝 疋田 智子 保谷 麗子 岡本 和也 黒田 知宏 大星 直樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-4, 2015-03-05

現在,病院情報システム (HIS) が導入され,様々な医療情報が計算機上に蓄積されているが,HIS の情報は十分活用されているとは言えず,近年報告されている医療インシデントは,看護師が取得した医療情報を現場まで運ぶ際の失敗など,情報の不足に起因する.本研究では,情報の不足に起因する医療インシデントを減らすことを目的として,これから行おうとしている医療行為に必要な情報を,看護師の持つモバイル端末に能動的に通知するシステムの開発を行った.本稿では,看護師の持つモバイル端末の状態に関わらず,看護師の持つモバイル端末に常に情報を通知できるようにするために構築した,通信モジュールをバックグラウンド動作させ,かつ,稼働させ続ける仕組みについて報告する.Nowadays, various clinical information is accumulated electronically due to introduction of hospital information systems. However, the accumulated information is not fully utilized. Actually, most of reported clinical incidents are caused by insufficient or incorrect information delivery. In this research, we developed information system to push information required for the clinical action, which is about to performed, to the mobile terminal of the nurse who is to perform the clinical action. In this paper, we made the mobile application immortal instead of conditions of terminal to make the proposed information system practical.