- 著者
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白井 佑
蓑川 創
南川 智彦
山崎 慎
秋吉 祐一郎
野村 智洋
原 純也
柴田 陽三
- 出版者
- 西日本整形・災害外科学会
- 雑誌
- 整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.3, pp.561-564, 2020-09-25 (Released:2020-11-12)
- 参考文献数
- 13
反復性肩関節脱臼に対する烏口突起移行術は,Bristow法(B法)とLatarjet法(L法)があり,近年,術後移行骨片の骨吸収の報告が散見される.我々は,その骨形態変化が関節安定性に関与していると考え,両術式の術後成績とCTによる移行骨片の骨形態変化を関節面積に着目して検討した.6ヵ月以上経過観察できた34例35肩(平均22.7歳)を対象.B法11肩,L法24肩.両術式の術前と最終経過観察時の臨床成績,および両術式のCTによる移行骨片の骨形態変化を関節面積で評価した.各種臨床評価法を用いて,術前と最終経過観察時を比較し,両術式共に有意に改善したが,両群間に差はなかった.術直後と最終経過観察時のCTを比較では,L法は移行骨片の骨吸収のため,関節面積が縮小していた.一方B法は,移行骨片の関節窩接触部の増殖性変化のため増大していた.B法は関節窩接触部の増殖性変化のため,一度癒合が得られればL法に比し高い骨性支持が得られると推察した.