- 著者
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白川 典子
藤本 和久
市山 進
小林 征洋
佐伯 秀久
- 出版者
- 一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
- 雑誌
- 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌 (ISSN:18820123)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.1, pp.50-54, 2017-01-31 (Released:2017-02-28)
- 参考文献数
- 18
症例は21歳男性。3年前, サケのホイル焼きを摂食後, 全身に搔痒を伴う発疹が出現し, 呼吸苦をきたした。その後もハモで顔面腫脹・発疹・呼吸苦, タラで顔面腫脹・発疹, ウナギおよびサンマで口腔内違和感, アミノコラーゲン入り栄養ドリンクで膨疹が出現した。Prick to prick test ではウナギ (加熱) , アナゴ (加熱) , サンマ (生) が陽性だったが, サンマ以外の生魚は陰性であった。ELISA法によるアレルゲンの検索を行い, 魚類コラーゲンが原因抗原であると診断した。魚類コラーゲンアレルギー患者では, 生魚を用いたprick to prick test では偽陰性になることがあり注意を要する。また, コラーゲンは加熱によっても抗原性が低減化しない。さらに近年では, 魚類コラーゲンが栄養ドリンクや化粧品にも用いられている。ウナギ目の魚類による即時型アレルギーの報告は少なく, 検査方法および生活指導に注意を要する。