著者
河村 七美 出光 俊郎 安齋 眞一 岡田 理 窪田 卓 米田 耕造 藤田 幸子 吉村 堅太郎 真鍋 求
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.113, no.4, pp.389-397, 2003-03-20 (Released:2014-12-13)

組織切片から虫体を同定し得た幼虫皮膚爬行症2例を報告し,その2例を含む当教室における過去6年間の幼虫皮膚爬行症28例について臨床統計学的検討を行った.1995年4月から2001年3月までの6年間の当教室における幼虫皮膚爬行症患者は28例で,初診時年齢27歳から76歳(平均50歳),男女比は4:3(男16例,女12例)であった.発症時期は28例中25例が10月から1月の秋冬期であり,これは八郎潟のシラウオ漁解禁の時期にほぼ一致している.食歴では28例中21例(75%)で八郎潟産のシラウオ生食が認められた.以上のように発症時期や食歴より秋田県における幼虫皮膚爬行症は,その感染源として今まで報告の少ない八郎潟産のシラウオが関与していると推測される.
著者
横山 大希 川原井 晋平 榎本 力弥 菅原 優子 安齋 眞一 斑目 広郎 茅沼 秀樹
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.149-152, 2019 (Released:2019-09-20)
参考文献数
10

11歳齢,未去勢雄のミニチュア・ダックスフンドが右膁部の限局性脱毛を主訴に来院した。皮膚科検査にて休止期脱毛を認めたために画像検査を行い,皮下陰睾,前立腺肥大,腹腔内腫瘤を認めた。血清エストラジオール(E2)の高値とテストステロン/E2比の低値を示したため分泌性精巣腫瘍を疑った。腹腔内陰睾を外科摘出後,病理組織学的検査にてセルトリ細胞腫とセミノーマの混合腫瘍,皮膚生検にて皮膚萎縮と休止期毛包と診断した。術後に血清E2の低下と発毛があり,E2分泌性セルトリ細胞腫による性ホルモン性脱毛と診断した。