著者
白石 龍生 長光 李恵 千田 幸美
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.51-56, 2011-09

女子大学生を対象に,携帯電話を介したインターネットへの依存と自尊感情とのかかわりについて調査を行った。自尊感情が低いものほどインターネットに依存する傾向が強いと考えていたが,両者には強い相関関係は認められなかった。今後は,メールの回数や時間などについても明らかにする必要があると考えている。自尊感情を育むにはどうすればよいか継続的な研究が望まれるところである。In recent years, there are many people who take mobile phone. They access the internet by mobile phone. The present study examined the relation between the tendency toward internet dependence and self-esteem as life skill. 242 college students were answered the questionnaire including the tendency toward internet dependence, the time of using mobile phone, the duration of using mobile phone for a day and self-esteem. Self-esteem was assessed by Rosenberg's self-esteem scale. 41.5% of the subjects started using mobile phone since junior high school age. Mean score of the tendency toward internet dependence was 7.74 (SD4.22) and mean score of self-esteem was 25.35 (SD3.05), respectively. The subjects used mobile phone over 150 minutes for a day indicated high score of the tendency toward internet dependence significantly. There was not a close relationship between the tendency toward internet dependence and self -esteem. It is necessary to investigate the effect of another life skill on the tendency toward internet dependence.
著者
山根 祥雄 小山 健蔵 白石 龍生 安井 義和 YAMANE Yoshio
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

近年、国内外の学校安全が脅かされ、死傷事件が後を絶たない。先例を教訓化して、同様な事件・事故の再発を防ぎ、被害を最小化するために、学校管理の強化、および死傷事件の際における緊急の組織対応のあり方の具体的かつ総合的な検討が本研究の目的である。しかし、学校安全管理、緊急の組織対応に関して、研究調査・情報・知見が決定的に不足しているので、附属池田小学校、アメリカ合衆国・コロンバイン高校、イギリス・ダンブレーン小学校を訪問し、各事件を再検証した。さらに各事件を教訓とする各国の安全管理、予防策、緊急の組織対応に関する全国的方針、および悲惨な事件の被害者のメンタル・ケアなどを学んだ。一方、学校安全を推進する国内の避難訓練にも立会い、安全管理の強化や非常時の組織体制などを調査した。ロサンゼルスの学校安全管理システムは、予防・防止・緊急の組織的対応が包括的実働的であり、参考になる。昨今、学外不審者にとどまらず、児童生徒による事件など、多様な要因、危険の増大と予測の困難な傾向であるので、立地条件に応じた一層の安全管理、迅速即応・臨機応変の対応、情報の共有化・有機的連携などが要請される。リアルな緊急組織対応のための研修や実際訓練によって、危機回避・避難・対応の着想力やスキルを培う機会の設定が不可欠である。こうして、危険性の確認、管理維持・強化、組織体制の点検、地域・家庭・学校の連携、避難訓練の継続などが必要とされる。また、学校・家庭・地域が緊密に連携し、総合的に子どもを守る取り組みが提唱され、いわばグローバルなモデルとされている。本研究が、安全確保を生存の基本として、万一の場合における安全の一層の管理・整備、予備的な対応方法の準備・訓練の契機となり、通常の学校運営への示唆ともなれば幸甚である。