著者
城所 隆 桐谷 圭治
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.29, pp.5-10, 1978

(1) ホソヘリカメムシの幼虫を乾燥種子と水だけで飼育し, ダイズを与えた場合に高い羽化率を得た。<BR>(2) 羽化率は低温よりも27℃ 前後の高温で高い傾向が見られた。<BR>(3) 異なる種類の乾燥種子を与えた場合, 幼虫期間と羽化率には負の相関が, 幼虫期間とその変動係数には正の相関が認められた。しかしこれらの関係は同一餌で温度条件を変えて飼育した時には明瞭でなかった。<BR>(4) 異なる温度での卵期間, 幼虫期間, 産卵前期間の合計値から求めた発育限界温度と有効積算温度は, それぞれ15.3℃, 385日度となった。これによって予測した香川県の周年経過は, 観察結果とほぼ一致した。<BR>(5) 雌成虫の卵巣発育に光周反応が認められ, 宮城県下に分布する個体群の臨界日長は13L: 11Dと14L: 10Dの間にあった。
著者
関根 崇行 相澤 正樹 永野 敏光
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.56, pp.44-47, 2005

小型ファンを利用した送風機を自作し, 施設内に環流を発生させることにより, 雨よけ夏秋トマトに発生する地上部病害への影響を検討した.本機を48m<I>2</I>のパイプハウスに2組 (向かい合わせに2機ずつ4機) 設置し, 梅雨入り前から常時送風することにより, 灰色かび病および葉かび病の発生を軽減することが可能であり.特に灰色かび病に対する発病軽減効果は高かった.また, 本機の適用により, 7月下旬から9月初旬の化学合成農薬の使用を減らしても, 発病を低く抑えることが可能であり, 夏秋トマトの農薬節減栽培の可能性が示唆された.一方, 本機の送風によりうどんこ病の発生はやや多くなったが, 防除が必要な程度の発生ではなかった.
著者
木村 清幸 児玉 浩一
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.39, pp.35-40, 1988

1987年, 秋田県北部でアワヨトウが多発した。糖蜜誘蛾器による調査では, 成虫は年3回の山を作る発生消長を示した。成虫100頭以上の多誘引は6月, 8月, 9月, 11月にみミられ, この成虫が多数誘引された時の上空3000m付近の気象をみると, 気温の高い南西の強風軸が北日本に進路をとっていた。<BR>2世代目には水稲に被害がみられた。被害分布状況から水田付近の牧草地が発生源と推察され, 水稲での2世代目幼虫の生息密度は1世代目の牧草地における幼虫密度と薬剤防除時期の二つの要因が影響していた。<BR>幼虫加害による止葉食害面積率の増加は収量減少に結びついていた。
著者
筒 井等 早川 博文 後藤 千枝 石田 茂樹 伊吹 俊彦
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.39, pp.199-202, 1988

ラジコンヘリによる微量散布での防除効果を評価するため, ジャガイモヒゲナガアブラムシを対象として防除試験を行った。ジメトエート・フェンバレレート乳剤の微量散布は, 圃場中央畦では慣行散布と同等の防除効果であった。農薬散布後, バレイショ葉を採取してジャガイモヒゲナガアブラムシを接種した結果, ラジコンヘリ飛行直下畦のジャガイモ葉ではト, 中, 下位葉とも100%の死亡率で, 慣行散布より防除効果が高かった。しかし, 飛行直下より離れた畦では生残虫が見られた。農薬の付着程度と死亡率との関係では'供試したジメトエート・フェンバレレート乳剤とチオメトン乳剤とも, 5.6粒/cm2以上で死亡率10O%であった。
著者
河野 勝行 平井 一男 氣賀澤 和男
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.38, pp.125-126, 1987

コガネムシ類4種 (サクラコガネ.スジコガネ.ヒメコガネ, アカビロウドコガネ) に対する誘蛾灯3種 (プラックライト, 水銀灯, 白熱電球) の誘引性の比較と, 設置場所の違いによる誘引数の比較を行った。4種ともプラックライト, 水銀灯, 白熱電球の順で捕獲数が多く, アカビロウドコガネを除く3種では統計的に有意だった。ヒメコガネは他の3種と比較すると設置場所による捕獲数の違いが大きく, 移動力が低いと思われた。
著者
稲岡 徹 早川 博文 米山 陽太郎
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.33, pp.139-141, 1982

1981年6月5日より9月17日まで北海道和寒町の町営三和, 福原両牧野において, 吸血性アブ類の種構成と季節消長を調査した。5属12種が記録され, このうちニッポンシロフアブが全体の約50%を占め, これに次いでアカウシアブ, シロフアブ, ゴマフアブ, キノシタシロフアブ, キバラァブが多かった。アブは6月下旬より9月中旬まで見られ, 種数, 個体数とも7月中旬より8月中旬までが最も多く, 牛体への害もこの時期に集中していた。