著者
真貝 富夫
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.33-40, 1999-04
被引用文献数
6

「のど越し」という言葉はしばしば使われるがその実体はかなり複雑な感覚である。のど越しスッキリとかキレがいいと言う時とそうではない時とでは咽頭・喉頭からの神経情報にどのような違いがあるのであろうか。咽喉頭の味覚情報を担う上喉頭神経と舌咽神経咽頭枝は水の刺激に対して高い応答性を示すという特徴がある。この両神経が顕著なのど越しの感覚を誘起するビール、炭酸水、吟醸酒などに対して特徴的な応答パターンを示すという最近の知見を紹介し、「のど越し」との対応について述べた。
著者
北川 純一 高辻 華子 高橋 功次朗 真貝 富夫
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.143-149, 2013

「おいしさ」にとって重要な要素である「のどごし」の形成には、咽頭・喉頭領域の感覚が深く関与していると考えられる。しかしながら、咽頭・喉頭領域の感覚についての研究報告はあまり多くない。本稿では、これまでの研究によって明らかにされた咽頭および喉頭領域を支配する神経(舌咽神経咽頭枝と上喉頭神経)の味覚応答特性ついて紹介するとともに、近年、盛んに研究されているTRPチャネルファミリーとのどごし感覚の関連性を検討する。さらに、健康的な生活を過ごすために大切な摂食(嚥下)機能に対する咽頭・喉頭領域からの求心性情報の役割について考察する。
著者
北川 純一 高辻 華子 高橋 功次朗 真貝 富夫
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.143-149, 2013 (Released:2018-05-30)

「おいしさ」にとって重要な要素である「のどごし」の形成には、咽頭・喉頭領域の感覚が深く関与していると考えられる。しかしながら、咽頭・喉頭領域の感覚についての研究報告はあまり多くない。本稿では、これまでの研究によって明らかにされた咽頭および喉頭領域を支配する神経(舌咽神経咽頭枝と上喉頭神経)の味覚応答特性ついて紹介するとともに、近年、盛んに研究されているTRPチャネルファミリーとのどごし感覚の関連性を検討する。さらに、健康的な生活を過ごすために大切な摂食(嚥下)機能に対する咽頭・喉頭領域からの求心性情報の役割について考察する。
著者
須藤 崇行 真貝 富夫 山村 千絵
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.282-288, 2014-12-31 (Released:2020-04-30)
参考文献数
20

【目的】嚥下障害に対する間接訓練として,冷圧刺激(Thermal-tactile stimulation:以下TTS)が知られている.TTS は,嚥下誘発の感受性を高めるとされている一方で,その効果は必ずしも得られないという報告もあり,効果や作用機序は明確になっていない.本研究は,TTS 効果の基礎的研究を進めるために,嚥下反射惹起の刺激として舌根部への注水刺激を用い,前口蓋弓へのTTS が嚥下の潜時に及ぼす影響を検討した.【対象と方法】被験者は,摂食嚥下機能に問題のない健常若年成人10 名とした.空嚥下させた後に,舌背後部へ水を1.0 ml/min の速度で注水し,嚥下反射が惹起されるまでの潜時を5 回測定した.休憩の後にTTS を行い,再び注水により惹起される嚥下反射の潜時を5 回測定した.そして,TTS 前後の潜時を比較した.【結果】TTS 施行前の全被験者5 回分の平均潜時は13.8±6.7 秒(平均値±標準偏差)であるのに対して,TTS 施行後は11.2±5.6 秒となり,TTS 後に有意な潜時の短縮が認められた(p<0.05).また,TTS 後の各回の平均潜時は,1 回目から5 回目(TTS から約10 分経過時)まで順に,11.3±4.7 秒,10.7±5.1 秒,11.7±6.9 秒,11.2±5.8 秒,11.4±5.5 秒であった.TTS 後,各回すべてにおいて,潜時の有意な短縮が認められた(p<0.05).【結論】注水刺激による嚥下反射の潜時は,前口蓋弓へのTTS 施行後すぐに短縮し,その効果は10 分以上継続した.TTS は,嚥下反射の惹起を促進する方法として,臨床的にも有用であることが示唆された